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角議員

(問)文化財保護について

1.島根県において、国・県指定文化財で所在不明となっているものがあるか、状況を伺う。

2.寄贈や寄託をされる場合もあると思うが、その状況を伺う。

 また、寄贈などがあった場合の保管先はどういうところがあるのか伺う。

3.県内の文化財の調査の状況と、その活用についての所見を伺う。

4.文化財を保管している施設が連携することで、より効果的・魅力的に情報発信できると考えるが、施設での保管、文化財の研究等について、情報交換、連携した調査報告、展示などの状況と今後の取り組みについて伺う。

 

(答)教育長

1.まず、島根県において、所在不明となっている国指定、県指定の文化財の状況についてであります。

 県内においては現在6点の指定文化財が所在不明となっております。いずれも、平成17年度に発生した1件の盗難事件によるものであり、その内訳は国指定文化財の絵画2点、古文書(こもんじよ)2点、県指定文化財の絵画1点、書跡(しよせき)1点であります。

 盗難後の対応について申し上げます。

 所有者から警察に盗難届が提出され、捜査がおこなわれました。県教育委員会は所有者からの連絡をうけてその後現地調査を行い、文化庁に被害状況を届け出ております。この届出を受けた文化庁は、全国の教育委員会・博物館・古美術商などに対しまして盗難にあったこの6点の文化財に関する情報提供を求めております。

 県でも、こうした国の動きに協力して情報収集に努めておりますが、現時点で発見には至っておりません。

 

2.次に所有者が保管できなくなったことにより寄贈や寄託をされている指定文化財の状況とその保管先についてであります。

 所有者の高齢化などにより、国指定、県指定の文化財の管理が所有者自らでは困難となるケースがあります。

 こういった情報が県教育委員会に届いた場合には、専門職員が文化財の状態を確認し、所有者の意向を聞いたうえで、県に所有権を移転する寄贈や、所有権をそのままで預かる寄託などの方法により、適切に保管されるように努めております。

 寄贈や寄託を受けた文化財につきましては、県では現在、古代出雲歴史博物館や八雲立つ風土記の丘、島根県立美術館、石見美術館の4施設で98点を保管しております。

 その内訳は、寄託を受け保管しているものが、国指定文化財が16点、県指定文化財81点、寄贈を受け保管しているものは、県指定文化財が1点となっております。

 また、市町村におきましては、松江市の松江歴史館と鹿島歴史民俗資料館、出雲市の出雲文化伝承館において、寄託された指定文化財を保管しております。

 

3.次に県内の文化財の調査とその活用についてであります。

 県において文化財の調査を開始するケースには次のようなものがあります。

 1つ、古代文化センターが計画的に取り組んでいる研究を進めるために調査を行うケース

 1つ、古代出雲歴史博物館や県立美術館などが常設展や企画展を行う際にその事前調査として行うケース

 1つ、埋蔵文化財調査センターが遺跡の実態や地域の歴史を調べるために調査を行うケース

 1つ、県民からの情報提供等に基づいて、専門の職員が文化財の状態や内容などを調査するケース

などであります。

 これらの調査は、指定の文化財、未指定の文化財を問わず行うものであり、既存の指定文化財に新たな価値付けがなされたり、文化財が新たに発見されたりすることもございます。

 このほか市町村においても、市町村誌の編纂や、「文化財を活かしたまちづくり計画」の策定などのために調査が行われるケースがあります。

 これらの調査で明らかになった文化財の活用につきましては、例えば調査成果をまとめた書籍の発行や展示会、講演会、遺跡の現地説明会などを通じて広く情報発信しており、島根の歴史文化について広く知っていただくことで、県民の郷土に対する誇りと愛着の醸成や交流人口の拡大につながるよう努めております。

 また、この度の文化財保護法の改正により、文化財を地域で保存継承するとともに、計画的に活用することが求められるようになりました。

 今後、県としても市町村における文化財の保存、活用が図られるよう、市町村の活用事業を支援していくとともに、広域的に連携した活用事業などを実施していきたいと考えております。

 

4.次に各施設と施設の間での調査、研究、情報交換展示などの連携状況と今後の取組についてであります。

 議員から、保管などを行っている施設として様々な例示をいただきましたが、設置目的等も多岐にわたりますので、文化財を中心に扱う施設とそれ以外の施設の2つのグループに分けてお答えいたします。

 まず、文化財を中心に扱う施設、具体的には、古代文化センター、古代出雲歴史博物館、八雲立つ風土記の丘などですが、これらの文化財を中心に扱う施設同士で情報の共有や連携した事業を行っている事例は次のとおりであります。

 古代文化センターと古代出雲歴史博物館では、定期的に連絡会議を行い、調査・展示などでの連携・協力を行っております。

 また、昨年度は石見銀山世界遺産登録10周年の記念事業として、大田市や石見銀山資料館等とも連携し、講演会やシンポジウム、展示などを実施しております。

 次に、文化財を中心に扱う施設と、そうではない施設、例えば県立美術館、石見美術館、図書館などでございますが、こうした施設間で情報共有や連携した事業を行っている事例としては次のとおりであります。

 文化財を中心に扱う古代文化センターの研究成果を反映した、石見の戦国武将に関する展示を石見美術館で開催しております。

 また、古代出雲歴史博物館等における文化財に関する展示会の開催時に、県立図書館が所蔵する古文書や肖像画などの資料を合わせて展示するようなケースがございます。

 また、文化財関係の展示会に時期を合わせて、県立図書館でこれに関連する図書や資料をコーナーを設けて展示、紹介するケースもございます。

 このように連携の事例はございますが、島根の魅力の発信を効果的に行う、という視点からは、さらに工夫する余地があるものと思います。

 各施設での展示会や情報発信の計画等をより早い段階から共有するなど、一層効果的な連携を図ってまいりたいと考えております。

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
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