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白石議員

(問)島根の教育について

1.島根の教育行政について、新教育長としての思いを伺う。

2.「人のいる図書館」実現の予算が付いて約10年ですが、今後の学校図書館活用教育に期待することについて伺う。

3.子ども達に、自ら知りたい、調べたい気持ちが湧きあがるような、学ぶことへの動機づけを促す授業の工夫について、考えを伺う。

4.小規模校の良さや地域で子どもを育てることの大切さについて、どう評価しているのか伺う。

5.県教育委員会の考えを整理し、適正規模校だけでなく小規模校のメリットについても市町村教育委員会と共有できるような努力を望むが、考えを伺う。

 

(答)教育長

1.島根の教育行政についての思いについてお答えします。

 島根で育つ子どもたちが、自らの将来に向けて幸福で主体的な生き方を実現できるよう、また、よりよい社会の創り手になっていけるよう、発達段階に応じたきめ細かな教育を進めることが、県教育委員会の大きな使命であると考えています。

 変化が激しく予測が困難なこれからの社会で生きる子どもたちに身につけてもらいたい力を、私どもは「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら、定まった答のない課題にも粘り強く向かっていく力」であると考えています。

 こうした島根県が目指す方向性は、年次計画で導入される新しい学習指導要領のねらいと、非常に重なるところが多いものと受け止めています。

 子どもたちがこうした力を身につけていく上で、島根は大変に恵まれた教育環境にあると考えています。

 例えば、豊かな自然に触れあうことや、多様な生産活動などの直接体験の場と、地域の大人から仕事の話を聞くなどの間接体験の場が、子どもたちの身近なところに豊富にある。

 温かな人間関係や地域社会といった強みも活かし、学校・家庭・地域が一体となって、島根ならではの魅力ある教育により、子どもたち一人一人を大切に育んでいきたいと考えています。

 また一方では、「時代の変化に応じた様々な教育ニーズへの対応」「子どもの心身両面の健康維持」「インクルーシブ教育システムの構築」「教職員の働き方改革」など、多くの重要事項もあります。

 教育行政は、子どもたちの健全な成長を後押しするためにあります。そして、子どもたちを導く学校現場を支えるためにあります。

 島根の子どもたちのため、そして県民の皆様の教育に向けていただいている思いに応えるためにも、教育現場と思いを一つにして、島根の教育の充実に誠心誠意、務めてまいりたいと考えております。

 

(答)知事

2.次に、今後の学校図書館活用教育に期待することについてのご質問であります。

 島根県では、平成21年度から、公立の全ての学校において司書等が配置できるよう支援をし、学校図書館活用教育を推進してまいりました。

 各学校では、子どもたちに、自ら課題を見つけて解決する力、情報を収集、整理、活用する力、自らの考えを発信する力などがついてきているとお聞きをしているところでございます。

 このように、学校図書館の活用による教育的効果は多岐にわたるものであり、今後いっそう学校図書館を活用することで、島根の将来を担う子どもたちに幅広い力が培われることを期待をいたしております。

 

(答)教育長

3.次に、子ども達の学ぶことへの動機づけを促す授業の工夫についてであります。

 授業において、「自ら知りたい、学びたい」という気持ちを引き出すためには、子ども達が、知的好奇心を刺激されたり、学びと生活の結びつきを発見できたり、学んで面白かった、よかったと感じたりできる学習活動が大切だと考えております。

 このため、県教育委員会としては、次のような学習意欲の向上につながる取組を進めております。

 まず、授業改善の取組につきましては、先ほどの知事の答弁にもありましたように、学校図書館を活用した教育により、学ぶことへの動機づけを行う授業を実施しております。

 また、算数の授業において、児童がそれぞれの考えを出し合い、意見を交換する中で考えを深めていく活動を通じて、子ども達の学習意欲が高まるような実践研究も進めております。

 このような授業改善の取組のほかに、中学校2年生3年生を対象に、学ぶことが自分の将来にどう役立つかを考えるなど、学習意欲の向上を図るセミナーを開催しております。

 このセミナーに参加した生徒からは、「学ぶ意義は、他人から与えられるものではなく、自ら発見するものだと気づいた」といった声が寄せられており、学習の動機づけに効果が見られます。

 今後も、このような学ぶことへの動機づけを促す様々な取組を進めますとともに、子ども一人一人の個性や発達段階に応じて適切な働きかけを行い、子ども達が主体的に学習に向かう力を育てていきたいと考えております。

 

4,5.次に、小規模校の良さや地域で子どもを育てることの大切さについてのご質問と、小規模校のメリットについて、市町村教育委員会と共有することについてのご質問にあわせてお答えいたします。

 小規模校においては、異なる年齢同士の協力的な態度を養いやすく、一人一人の児童生徒によく目が行き届き、教職員が丁寧に指導できること。また、一人一人の存在感や役割を持たせやすく、リーダー性を育てやすいなど小規模ならではの特徴があります。

 また、小規模校のメリットについて、文部科学省は、平成27年に示した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」の中で、

「一人一人の学習状況や学習内容の定着状況を的確に把握でき、補充指導や個別指導を含めたきめ細かな指導が行いやすいこと。」

「地域の協力が得られやすいため、郷土の教育資源を最大限に生かした教育活動が展開しやすいこと」を述べています。

このことについては、県教育委員会と各市町村教育委員会ともに認識を共有しており、今後もその良さを生かしていくよう連携を図ってまいります。

 一方、小規模校については、文部科学省の同じ手引きの中で、「集団の中で切磋琢磨しながら学んだり、社会性を涵養する機会や多様な意見に触れる機会の確保が難しい。」とも述べられています。これらの課題については、校内研究や研修会等により、解消、緩和するための方策を講じるよう努めております。

 県教育委員会としましては、学校と地域と家庭が連携し、子どもたちを育てていくことを大切にしながら、子どもたちが等しく「生きる力」を育むための教育を適切に受けられるよう、市町村教育委員会と連携しながら環境の整備に努めてまいります。

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
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