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大国議員

(問)学校のエアコン設置の促進について

1.小中学校のエアコン設置の状況及び認識を伺う。

2.児童生徒の学習環境が自治体の財政状況に左右されるのは好ましくないと考えるが、所見を伺う。

3.国に学校施設環境改善交付金予算の増額や要件緩和等を要望するとともに、県としても支援策を講じるべきと考えるが、所見を伺う。

(問)学校の存続と地域の再生について

4.義務教育は学校の規模によらず教育水準が確保されているとともに、小規模校ならではの魅力もあると考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.小学校・中学校のエアコンの設置状況でありますが、平成29年4月1日時点の数値で申し上げます。普通教室・特別教室合わせまして、小学校全体で26.1%、中学校全体で32.2%であります。

 そして、エアコン設置率の市町村別の状況でありますが、小学校については、100%設置が1団体、50%以上100%未満が5団体、30%以上50%未満が4団体、30%未満が9団体であります。そして、中学校については、100%のところはございません。50%以上100%未満が4団体、30%以上50%未満が4団体、30%未満が11団体であります。

 このように、設置状況は市町村によって大きなばらつきがみられます。一方、今後エアコンの設置を計画的に進めていくお考えをお持ちの市町村もあると聞いております。設置率は徐々にではありますが、向上していくのではないかと期待しております。

 

2.さきほど申し上げましたように小・中学校のエアコンの設置率は市町村によって大変大きなばらつきがございます。このばらつきが市町村の財政状況の影響を受けているのではないか、という議員のご懸念でございます。財政状況をどのような指標で把握するのかというのは難しい面もございますが、例えば財政力指数でみた場合、19市町村のエアコン設置率と財政力指数の相関係数を調べてみました。そうしましたところ、相関係数はマイナス0.366でありまして、この数値は、一般的には少なくとも正の相関関係はないと評価されるものでありまして、財政力指数との関係でみるとそういうことではない。

 市町村においては、財政力指数に関わらず、それぞれの限られた財源の中で、耐震改修や老朽化に伴う大規模改修に加えまして、近年、トイレの洋式化やエアコン設置に関するニーズへの対応などについても、それぞれに工夫しながら進めておられるということであります。

 県教育委員会としては、良好な教育環境で児童生徒が学べるように、それぞれの市町村における予算編成の中で、学校の施設整備や環境改善に資する施策が少しでも優先順位を上げてもらえることを期待するものであります。

 

3.文部科学省に対しましては、学校施設整備予算総額の確保により空調設備の採択を得やすくすることや、ご指摘のありました補助対象の下限額について学校単位となっているものを自治体単位に広げてもらうなどの補助要件の緩和等について、引き続き要望してまいります。

 また、市町村に対しては、事業計画のヒアリングを行い、個別の事業に応じたきめ細かな助言を行ってきておりますが、今後も国の予算の動向や補助金の改定状況等を見ながら適切に助言を行っていきたいと思っています。

 一方、財政支援の可能性については、小学校・中学校の施設・設備の整備については、耐震改修あるいは学校統合に伴う新築・改築、老朽化に伴う大規模改修なども含めまして、県としては、市町村に対する財政支援は行っておらず、学校設置者である市町村の責任と負担で対応していただいております。

 エアコンに限ってこの原則から外れるということは、県と市町村との財政秩序の観点からも難しいのではないかと今考えております。

 

4.議員から義務教育に関する財源保障の大きな考え方をご説明いただきましたが、教職員の定数等を定めるいわゆる「標準法」におきましても、小規模校であっても、国が「標準」と考える水準は義務教育費国庫負担制度によって保障されております。

 また、文部科学省が平成27年1月に示した「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引き」の中で、小規模校のメリットとして、「一人一人の学習状況や学習内容の定着状況を的確に把握でき、補充指導や個別指導を含めたきめ細かな指導が行いやすい。」、「地域の協力を得られやすいため、郷土の教育資源を最大限に生かした教育活動が展開しやすい。」などといったメリットが述べられています。

 一方、小規模校の課題としては、「集団の中で自己主張をしたり、他者を尊重する経験を積みにくく、社会性やコミュニケーション能力が身につきにくい。」、「多様な物の見方、考え方、表現の仕方に触れることが難しい。」などの面も触れられております。

 小中学校の統廃合の問題については、市町村によって様々な立場があります。それぞれの市町村教育委員会が、学校設置者としての責任と権限において、これまで長きにわたって、地域住民との意見交換なども重ねながら、熟慮のうえでこの問題に正面から向き合ってきておられます。

 そのような状況において、県教育委員会が統廃合の問題について何らかの方向性を示唆することは、これまでの市町村の努力に水を差すことにもなりかねません。

 したがいまして、県教育委員会の立場からの発言は控えるべきであると私は考えております。

 

(再質問)小規模校ならではの魅力について再度伺う。

 

(答)教育長

 統廃合の問題について、県教育委員会からの発言は控えるべきである、この点は大前提として申し上げた上で、小規模校における教育の魅力を感じることが折々ございます。

 例えば、一例を申し上げたいと思います。今年11月に、「しまね教育の日フォーラム」というイベントを主催いたしました。そのフォーラムにおきまして大田市立第三中学校の吹奏楽部が、大変素晴らしいアンサンブルを奏でてくださいました。この大田市立第三中学校は、全校で生徒が27名。そのうち吹奏楽部は5名のみであります。1年生2名、2年生2名、3年生1名、5名だけの吹奏楽部であります。この5名が、全員で素晴らしいアンサンブルを披露してくれたわけであります。この大田市立第三中学校の吹奏楽部は、今年の吹奏楽コンクール中国大会で金賞を受賞しております。

 したがいまして、一般的に小さいからといって教育活動、優れた教育活動が実現できないということには、必ずしもならない、そういう一例ではなかろうかと私は感じたところであります。

 


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