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岩田議員

(問)18歳、19歳の選挙権と主権者教育について

1.昨年の参議院議員選挙から今年の衆議院議員選挙までの間、主権者教育についてどのような取組が行われてきたのか伺う。

2.衆議院議員選挙前に学校現場で投票行動を促す何らかの具体的な指導が行われたのか伺う。

3.若者、高校生から、政治は難しい、わからないという声を聞くが、こうしたイメージを教育現場で払拭し、政治が生活に深く関係していることを教えてほしいが、主権者教育を今後どのように進めていくのか伺う。

(問)就学前教育について

4.来年の改定実施に向けて、保育所・幼稚園、それを所管する市町村に対してどのような取組をされているのか伺う。

5.就学前教育において島根の独自性を打ち出したあるべき姿を示してもよいと思うが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.5点のご質問にお答えします。

 まず、昨年の参議院選挙以降の主権者教育の取組についてであります。

 各県立学校においては、今年度も年間指導計画を作成し、計画的に主権者教育に取り組んでおります。その中では、市役所と連携し市長への政策提言をする取組、選挙管理委員会と連携しての模擬投票、選挙管理委員会による出前授業、町議会の傍聴など、そういった取組も行われております。

 また、教員の研修の面では、平成27年度から県立学校の主権者教育担当者研修を行っておりますが、昨年12月にも27年度受講者以外を対象として研修を行いました。

 また、今年度は、教育センターでの研修として、すべての校種の教員を対象に「主権者教育をどう進めるか」というテーマで研修を行ったところであります。

 

2.次に、今回の衆議院議員選挙の前に投票行動を促す指導を行ったのか、という点についてのご質問にお答えをいたします。

 この度のご質問を受け、県教育委員会から県立高校に改めて問い合わせを行いましたところ、高校3年生全体に対して、次のような取組を通じて、投票に行くことの重要性についての指導が行われたと聞いております。

 具体的には、校内の主権者教育担当者が作成した資料を使って各クラスの担任が朝礼・終礼などで指導した、選挙管理委員会が作成した資料を使って公民科の授業で指導した、また教室内に選挙広報を掲示して朝礼・終礼等で指導した、などでございます。

 

3.次に、主権者教育の今後の進め方についてお答えをいたします。

 主権者教育の目的は、単に政治の仕組みについて必要な知識を習得させるのみならず、主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や、社会を構成する一員として地域の課題解決を主体的に担う力、こうした力を発達段階に応じて身につける、身につけさせるものであると考えております。

 各学校においては、様々な工夫を凝らしながら主権者教育に関する取組が行われておりますが、実際に授業を行った教員からは、次のような取組は有効ではないかという感想を聞いております。

 例えば、「18歳選挙権」をテーマに、若者の政治参加についての意義や課題について、様々な角度から検討し話し合ってみるような授業、そして、各政党のマニフェストを使い、それぞれの内容についてグループで比較・検討し、その後に模擬投票を行ってみるというような授業、これらであります。

 また、この他にも、多くの学校で地域課題解決型学習に取り組んでおりますが、自分の身近な地域が抱える課題を知り、様々な他者と関わり合いながら、主体的に課題解決に取り組んでいくことは、将来にわたって政治に参画しようとする意欲をもった若者を育てることにつながる有効な取組であると考えております。

 主権者教育の目的は先ほど申し上げた通りでありますが、このような主権者を育てていくためには、小学校から発達段階に応じて児童・生徒の意識を醸成していくことが大切であると考えております。

 さらにその内容についても、単に知識の習得や体験学習の実施のみにとどまらず、「自ら考え、判断する力」の育成に向けた取組を進めていかなければならないと思います。

 各高校においては、現状も選挙管理委員会などと連携しながら、模擬投票などの実践的な取組が行われておりますが、単に生徒の関心を高めるだけにとどまらず、ディベートや話し合い活動を事前・事後の指導として併せて行ったり、授業で現代社会における課題を積極的に扱ったりするなど、政治を自分のこととして考えさせるような工夫が必要だと考えております。

 このように、考える力を醸成し、一方で地域の問題に主体的に取り組む活動も取り入れながら、社会を生き抜く力や、社会を構成する一員として地域の課題解決を主体的に担う力、これらの力を育てていきたいと思っております。

 

4.次に、幼児教育に関しまして、幼稚園教育要領の改訂実施に向けた取組についてお答えをいたします。

 幼稚園教育要領の改訂の周知に係る研修については、次のとおり行いました。

 公立幼稚園対象の集合型研修を8月24日に開催しております。

 また、公立幼稚園設置市、幼児教育関係団体からの要請によりまして、指導主事を派遣して、研修を支援しております。

 研修には、市町村の幼稚園担当者の他に、保育士、保育教諭も参加をしております。

 幼児教育の充実を図るためには、保育者の力量の向上が必須であり、また、幼児教育の現場からも幼稚園・保育所などの実態に応じた研修の支援が求められております。しかしながら、現状の体制では、その要望に十分に応えきれておりません。

 生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性については、県教育委員会としても認識しておりまして、担うべき責任と現状の体制との間に大きな乖離が生じていることについて苦慮しております。現状の体制のもとでは、さきほど述べたような研修機会を提供することが精一杯の状況でありますので、幼児教育の体制整備の在り方も含めて考えていく必要があり、現在、平成30年度当初予算編成の中で検討を進めております。

 

5.最後に、就学前教育において島根県の独自性を打ち出すべきではないかとのご質問にお答えをいたします。

 多様な個性のある子ども一人一人と丁寧に向き合い、細やかな配慮のもとで、一人一人の力を最大限に伸ばしていく、このことが島根らしい教育になると考えております。

 そのためにも、幼稚園・保育所、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などが校種をこえて連携し、子ども一人一人にとって最適な学びの環境を確実にバトンタッチしていくことが大切であり、この「学びの連続性」の出発点が就学前教育であると考えております。

 就学前における島根らしい教育というご質問でありますが、現時点で考えられるイメージを雑駁ではありますけれども表現してみますと、例えば、多様な個性のある子ども一人一人の遊ぶ意欲に、保育者が丁寧に向き合い、細やかな配慮のもとで、子ども自身が真にやってみたいと思えることを見つけられるように方向づけ、他の子どもと一緒になって、それに熱中するようにしていくというようなイメージではないかと思います。

 こうした姿は、まさに島根県が目指します「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら、定まった答えのない課題にも粘り強く向かっていく力」を育む教育の基礎部分を体現した姿ではないかと思っておりまして、島根らしい就学前教育の一つの姿になるのではないかと現時点でイメージではありますがとらえております。

 健康福祉部と連携しまして、就学前教育の体制整備の在り方について、来年度当初予算編成の中で検討を進めているところでありまして、そうした中で、この体制整備に一定の目途がつけば、島根らしい就学前教育の在り方について更なる具体化を図っていくことができるのではないかと思っております。以上でございます。

 


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