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浅野議員

(問)教育力の向上対策について

1.子どもの良いところや関心の芽を見つけること、そしてそれを伸ばすことこそ、45年後の日本の将来を支える最も大事なことではないかと思うが、所見を伺う。

2.農工商団体が合同で、高校生が創意工夫した実践的な研究課題を発表する研究大会を設け、そこで表彰する制度を作れば、研究力が優れた生徒は、将来県内企業で創意工夫力を発揮し、地元企業の企業力向上につながると考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.2点のご質問にお答えをいたします。

 まず子どもの良い所や可能性を見つけ伸ばすことの大切さについてであります。議員から45年後の日本の将来を見据えた教育のあり方を考えるべきであるとのご提案をいただいております。

 これからの社会は変化が激しく複雑で予測困難と言われております。であればこそ、次代を担う子どもたちには、変化を前向きに受け止め、人生と社会を豊かにしていく資質・能力が求められます。

 そのような観点から、県教育委員会では「島根の子どもたちに身につけてもらいたい力」として、変化の激しい社会で生き抜いていく力、すなわち「主体的に課題を見つけ、様々な他者と協働しながら、定まった答えのない課題にも粘り強く向かっていく力」、このような力であると考え、この考えを市町村教育委員会や学校現場と共有しながら児童・生徒の指導を進めています。

 このような変化の激しい社会で生き抜いていく力を子どもたちに身につけさせるには、子ども自身が学校や地域社会において様々な人と関わりながら学び、その学びを通して、自分の存在が認められることや、自分の活動によって何かを変えたり、社会をよりよくしたりできること、そういった自己有用感を持つことが大切であると思います。

 そして、そうした実感を重ねていくことによって、主体的に学びに向かい、学んだことを人生やよりよい社会づくりに生かしていこうという意欲、そして積極性につながっていくものと考えております。

 県教育委員会では、このような考え方について教職員はもちろんのこと、保護者に対しても理解を得ていきたいと考えており、広報紙などを通じて、引き続き情報発信するとともに、PTAの研修会に直接出向いて話をするなど、様々な機会を通じて理解を得る努力を行ってまいります。

 子どもたち一人一人は多様な可能性を持った存在であり、教職員・保護者だけでなく子どもたちに関わる様々な方々が、子どもの良さ、可能性を認め伸ばしていくということを大切にしながら一人一人の学びを支えていく、このことが大切であると思います。議員のご指摘のとおりだと思っております。

 

2.次に、高校生の創意工夫研究発表大会と表彰制度についてのご提案にお答えをいたします。

 専門高校では、問題解決の力や創意工夫の力の育成を図るため、生徒全員が「課題研究」という科目を学んでおり、生徒自らが課題を設定し、担当教員だけでなく、地域の企業、自治体、大学などの外部講師の指導・助言も得ながら、研究に取り組んでおります。

 こうした専門高校の「課題研究」の教育は、今後ますます重要になっていくものと考えておりますが、6月定例会における議員のご質問にもすでに答弁させていただきましたように、学校における「課題研究」のボリュームはすでに教育課程のほぼ上限に達しております。したがいまして、今後は「課題研究」のボリュームというよりもその質の向上を図っていくことが重要であると考えております。

 このため、これまで以上に、地域の先進的な技術に触れたり、優れた外部人材からの指導を受ける機会を増やすなど、「課題研究」の教育効果を向上させていく、そのような取り組みを積極的に行っていきたいと思っております。

 こうした質の向上の対策の一環といたしまして、専門高校では、これまで地元企業などのご協力を頂きながら、生徒たちの取り組んだ「課題研究」の成果発表会を校内で開催しております。特に、農業高校や商業高校では、合同での成果発表会を開催し、表彰しております。

 また、県教育委員会としても、高校と地元企業などとが連携した課題研究の成果を発表する機会を設けております。

 こうした発表の機会は、生徒たちのプレゼンテーション力やコミュニケーション力の向上に寄与するだけでなく、発表を聞く生徒にとっても貴重な学びの機会となっております。また、表彰を受けることで、生徒の学びのモチベーション向上につながることも期待でき、効果は高いと考えております。

 議員から、以上のような専門高校の現在の取組を思い切ってさらに強化してみてはどうかという趣旨のご提案をいただいたものと受け止めております。

 専門高校の生徒が優れた教育活動を通じて力量を伸ばし、それが本人の自己実現につながり、ひいては、地元企業への就職を通じて、企業力向上につながるという好循環を創り出すことは、島根県の総合戦略の目指すところであり、大きな方向性として有意義なものと考えております。一方、県立高校の現場は、教員の働き方改革と教育の質の向上とをどのように両立させればよいのかという厳しい課題、厳しい実態を抱えております。すでに教育課程のほぼ上限に達している現在の取組をさらに拡大することができるかどうかについて、学校現場とよく話し合ってみたいと思います。以上であります。

 


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