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総合調査

石造物調査

 石造物調査では、平成9年度から銀山柵内における分布調査を毎年継続して行ってきました。また、11年度からはこれと同時に特定の寺院墓地などを対象にした悉皆調査を行ってきました。分布調査は14年度にこの範囲がほぼ終わり、翌15年度には隣接する大森地区の調査も行いました。この結果、銀山柵内は6,000点以上、大森地区では5,000点以上の石造物が確認されました。一方、悉皆調査は宗派や立地などを考慮に入れながら、4年間で寺院墓地6カ所をはじめ、歴代奉行代官・地役人等の墓地を調査しました。
16年度は、今後の石造物調査のあり方を展望すべく、分布調査の結果と悉皆調査から得られた成果を調査報告書にまとめることにしました。

調査部会 分布調査
調査部会での検討風景(平成16年度)分布調査の実施風景(大森地区、大音寺墓地にて)

さまざまな形の墓石とその変遷

 

 石見銀山遺跡では、さまざまな形をした石造物をみることができます。墓石だけをみても21もの形式に分類できます。大きくは二つの種類があり、一つが一石宝篋印塔、一石五輪塔、組合せ宝篋印塔などと呼ぶ塔形を呈するものであり、もう一つが円頂方形墓標、尖頂方柱墓標、位牌形墓標、笠付方形墓標などと呼ぶ方柱状のものです。
この他には、子供の墓として特徴的な地蔵の像容を表したものや、変わった形のものでは隠れキリシタン関連の遺物かとも想定される特殊な墓標も見つかっています。

墓石型式


 調査によって、これらの墓石のほぼ全てが銀山柵内から西方に9kmほど離れた温泉津町福光に産する凝灰岩が使用されていると判明しました。また、これらには造立年代が記されたものが過半数もあり、先に分類した墓石の変遷を知ることができるとともに、石見銀山が地域色豊かなところであったことなども分かりました。
石見銀山では前半期のうちに、一石宝篋印塔と一石五輪塔が主体をなしている特徴があります。しかも前者は後者の1.5倍にも達する数が確認できます。このように中世末期に遡って一石宝篋印塔が主体となる事例は、いまのところ石見銀山以外にはなく、極めて地域色の強いところと言えます。この現象は17世紀代まで続きますが、それ以降になると、今度はこの時代に定型化した方柱状の墓標に変わっていくのがよく分かります。
また、墓石の変遷表をみると、造立には1600年前後と1800年前後に二つの大きなピークがあることが分かります。こうした推移には石見銀山における人口動態が間接的ながらも反映されているものと考えられます。

墓石の変遷
銀山柵内における墓石変遷表

仙ノ山の墓地
仙ノ山・石見銀山の墓地

墓石型式の変遷
銀山柵内における墓石型式別変遷表

 



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