手記

手記みだし


働きたい、しかし、この不況の中過去に過ちを犯した者を容易に雇用してくれる職場はありません。友達を頼って転々とする日々でしたが、どこにも安住できず今、母の元に帰っています。まだ若いのですから、もう一度やり直そうとしているのですが、世間の目は冷たいものです。私がいくら懸命に立ち直ろうとしても、売人と呼ばれる人から「薬がある。いらないか。」との誘いの電話が入ります。そっとしておいてくれません。それに追い打ちをかけるように、「覚せい剤を一度やったらやめられない。どうもまたやっているらしい。」という噂が立っているという話も耳に入ってきます。私は覚せい剤に手を出したばかりにたくさんの物を失いました。信用、友達等々。思い出す事も嫌だったのですが、不幸な人が一人でも少なくなることを願ってペンを取りました。
イラスト同級生の紹介で妻子ある男性との交際を始め、いつの間にか同棲するようになりました。彼は、私の目には全く見えないものが見えるということもありました。最初は霊感の強い人だ位にしか思っていませんでしたが、ふとしたきっかけで注射器を目にし、覚せい剤を打っているのではという恐れを抱きました。そのうちに、障子に穴を開け、あるいはカーテンをそっと開けて外の様子をうかがったり、時には望遠鏡まで使っているのです。「外にいる人がすべて刑事に見える」と言って毎日おどおどしていました。私が外から帰った時、私のことを刑事と思いこんだらしく、押し入れの上の袋戸棚に隠れていたこともありました。
イラスト私は何とか彼の薬をやめさせようと思いました。何度も説得したところ「一回だけ一緒にやってくれたらやめる。」と言うので私はその言葉を信じました。「一回位ならやめられるだろう」と思ったのですが、それは大変な過ちでした。彼は勿論やめません。私は一日に一回から数回へと二週間というものは薬づけの毎日となりました。頭ではいけないと思っても身体が要求するのです。見えるはずのないものが見えて来ます。布団の中に彼の浮気相手と思われる人の電話番号を書いたメモやプリクラが見えるのです。布団を引きちぎり、綿の中を探していました。二日でも三日でも何を食べずにいても、寝なくても平気でした。部屋の中は散らかり放題です。彼の暴力はすさまじく、身体のあちこちには青あざが出来、全く正常な生活とは言えない状態となりました。
私は以前に指導を受けていた警察の補導職員さんの顔が浮かび電話を手にしていました。何とかしてほしいと訴えました。結局、私も彼も逮捕され、社会から隔離されたのです。
拘置所に面接に来てくれた母を見た時、涙で声になりませんでした。二度と母に涙を流させるようなことをしてはてけないと誓いました。
覚せい剤なんて関係ないと思っていた私ですが、ちょっとした心のスキを狙って入って来ました。たとえ誘われても、はっきり「NO」と断る勇気が必要だと思います。
たった一度しかない人生、自分をそして人を大切に出来るように今から再スタートをしようと思っています。


 

 

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