賢明利用の推進(平成20年度までの取組)

 島根県では、ラムサール条約湿地「宍道湖・中海」の貴重な自然環境を保全・活用し、圏域の振興を図るため、地域住民・関係団体等との協働による「賢明な利用」の実現に向け事業を実施しています。

 平成18、19年度は、緊急課題対応枠予算により「親しむ・知る事業」「学ぶ・考える事業」「守る事業」「利用する事業」の4つの柱により、自然環境課のほか、環境政策課、農畜産振興課、水産課、観光振興課において、連携をとりながら実施しました。

 平成20年度は、事業を集約し、豊かな恵みを将来へ引き継ぐことを目的に、次世代へ繋がる事業に特化して実施しました(注)担当課の名称は、平成18~20年度当時のものです。

 

平成21~30年度の取組へ

令和元年度以降の取組へ

 

平成20年度事業

 

 ラムサール条約湿地に登録されて3年目を迎えました。

登録3周年にあたり、子どもたちの取組を新聞に掲載しました。

主な事業は次のとおりです。

 

主な事業の内容

1.学んで繋げる環境学習

 小中学生を対象とした環境学習会や自然観察会の開催、指導者の育成を行いました。

 

2.参加して繋げる交流の輪

◇賢明な利用を語る会の開催

 第9回:6月21日(土)午後1時〜3時30分

 内容:「宍道湖・中海の今昔を語る

 

 第10回:10月5日(日)午前10時〜午後3時

 内容:「こどもたちが語る宍道湖・中海の未来

 

 第11回:平成21年2月21日(土)午後1時15分〜3時40分

 内容:「ラムサール条約登録から3年をふりかえって

 

◇「世界子どもラムサール会議」への参加

 韓国昌原(チャンウォン)市で、10月27〜29日まで開催された「世界子どもラムサール会議」に日本各地の子どもたち18名が参加し、各国の子どもたちと学びあい、交流しました。この会議は、第10回ラムサール条約締約国会議(COP10)の開催にあわせて、ホスト都市昌原市とラムサールセンターが主催したもので、県内から参加した2名の中学生が、帰国後に県知事を訪問し、会議の状況を報告しました。

 

 

平成19年度事業

 主な事業は次のとおりです。

親しむ・知る事業

ラッピング電車(宍道湖ラムサール号)による普及啓発(自然環境課)

 宍道湖の豊かな自然を表現し、親しみを持って接していただけるよう、一畑電車株式会社にご協力をいただき、宍道湖の生き物をデザインしたラッピング電車「しんじ湖ラムサール号」を4月28日から運行いたしました。ラムサール条約湿地に登録された宍道湖は汽水湖で、様々な魚介類が生息し、冬には多くの水鳥が渡ってきます。「しんじ湖ラムサール号」は宍道湖に棲む生き物全40種、78点を車体にデザインした電車で、個別のデザインはホシザキグリーン財団の職員さんに作成していただきました。しんじ湖ラムサール号

しんじ湖ラムサール号イメージ図

 

ラムサール条約湿地「中海」の標柱の設置

 平成19年11月、十神山なぎさ公園(安来市安来町)に中海がラムサール条約湿地であることを標記した標柱を設置しました。

学ぶ・考える事業

「ラムサール条約と賢明な利用を語る会」の開催(自然環境課)

 平成17年度から毎回テーマを定めて情報交換等を開催しており、平成19年度も3回実施しました。

 

◇賢明な利用を語る会の開催

 第6回:平成19年6月2日(土)午後1時30分~4時

 内容:「環境教育・学習について考える

 

 第7回:平成19年11月10日(土)午前11時〜午後2時

 内容:「宍道湖・中海の恵みの活用について考える

 

 第8回:平成20年2月23日(土)午前8時30分〜午後5時30分

 内容:

 〇第1部:モデルエコツアー「宍道湖エコクルーズ&水郷松江エコ体験」

 宍道湖エコクルーズ~松江街歩き~松江城までの半日ガイドウオーク

 〇第2部:「宍道湖・中海でのエコツアーについて考える

 

「自然観察会」及び「エコツアーガイド養成研修」の開催(自然環境課)

 平成18年度に引き続き、自然観察会、エコツアーガイドの養成を行いました。

KODOMOラムサール<中海・宍道湖>全国湿地交流の開催(自然環境課)

 平成20年2月9日(土)〜11日(祝)にホテル宍道湖(松江市)を主会場に宍道湖・中海周辺で開催しました。

守る事業

みんなで育む宍道湖・中海水環境保全事業(環境政策課)

 宍道湖・中海を対象とした水環境保全事業を公募し、特定非営利活動法人斐伊川流域環境ネットワークに委託して、沿岸小学校を対象とした水環境学習会、湖周辺の活動団体や公民館等を対象とした水環境学習会、ヨシ植栽イベント、上下流連携交流イベントなどを実施しました。

みんなで調べる中海流入河川調査(環境政策課)

 平成19年度は、中海流入河川周辺の小中学校(小学校13校、中学校5校)が水質調査を行いました。

流出水対策モデル事業(農畜産振興課)

 宍道湖と中海がラムサール条約に登録されたことを契機に、農業からの流出水について、適切な水管理により、環境への負荷を軽減する必要があるため、宍道湖・中海への流入河川周辺の4箇所のモデル地区で流出水対策の取組を実施しました。各地区では水稲の水質汚濁物質を抑制する取組を行い、併せて水質調査による検証・評価を実施しました。3月に報告された検証結果を基に、今後の農業に活かすこととしています。

 モデル地区は次のとおりです。

 ○宇賀荘地区営農組合(安来市)

 ○市向営農組合(東出雲町)

 ○新田下営農組合(斐川町)

 ○三森原農事実行組合(奥出雲町)

利用する事業

宍道湖湖岸植物帯保護育成機能調査(水産課)

 宍道湖水草帯(ヨシ・ワンド・リーフ・河口付近)保護育成機能調査を実施し、植物帯が形成される水域が漁業上重要な魚介類の成育に機能している可能性を漁業資源増大の観点から検証し、湖岸域の修繕および造成方法などを提言しました。

宍道湖・中海エコツーリズム推進事業(観光振興課)

「宍道湖エコクルーズ&水の都松江のまち歩き」を実施しました。

 

ラムサールの恵み展の開催(自然環境課)

 下記のとおり開催しました。

開催日:平成19年11月10日(土)

場所:ホテル宍道湖

内容:宍道湖・中海の魚介類の試食、物産・土産物及び景観を活用した事例等を展示紹介

 

 →詳細はこちらをご覧ください

 

 

平成18年度事業

 主な事業は次のとおりです。

親しむ・知る事業

「ラムサール条約登録一周年記念大会」の開催(自然環境課)

 平成18年12月2日(土)に境港市において、「ラムサール条約登録一周年記念大会-上流と下流、そして世代をつなぐ賢明利用-」を島根・鳥取両県並びに周辺自治体とともに開催しました。

「ラムサール条約と賢明な利用を語る会」の開催(自然環境課)

 平成17年度から毎回テーマを定めて実施しており、平成18年度も3回開催しました。

 

◇賢明な利用を語る会の開催

 第3回:平成18年6月10日(土)午後1時30分~4時

 内容:「宍道湖・中海の漂着物について考える

 

 第4回:平成18年10月21日(土)午後1時30分~4時

 内容:「「ふゆ水たんぼ」-ラムサール条約と農業振興について考える-」

 

 第5回:平成19年2月3日(土)午後1時30分~4時

 内容:「宍道湖・中海でのエコツアーの可能性について考える

「KODOMOラムサール近畿・中国ブロック湿地交流」(自然環境課)

 平成18年11月17〜18日に、「KODOMOラムサール近畿・中国ブロック湿地交流」(外部サイト)を、鳥取県、ラムサールセンターとともに開催しました。県立宍道湖自然館ゴビウス、サンレイク、米子水鳥公園を会場に、宍道湖・中海周辺の子どもたちと近畿・中国ブロックの各湿地の子どもたちとの交流を行いました。

「4ヶ国語パンフレット」の作成(自然環境課)

 宍道湖・中海とラムサール条約をわかりやすく解説したパンフレットを、4ヶ国語(5字体)で作成しました。

 英語(English)韓国語(Korean)・中国語(Chinese)[中文簡体字中文繁体字]・日本語(Japanese)

 

「自然観察会」及び「エコツアーガイド養成研修」の開催(自然環境課)

 子どもたちや一般の方を対象とした自然観察会を、主に宍道湖西岸で18回開催しました。

 エコツアーガイドの養成は、エコツアーガイドに興味をお持ちの方や実践してみたい方を対象に2回開催し、エコツアーガイドの心がけや手法等について学んでいただきました。

水鳥簡易観察施設の整備(自然環境課)

 絶好の野鳥観察、景観スポットである宍道湖ふれあいパーク(鳥ヶ崎)に観察デッキを整備しました。

野鳥観察マナーアップサイン」の設置(自然環境課)

 斐伊川河口は多くの水鳥や野鳥が観察できる絶好のポイントで毎年多くの方が訪れますが、必ずしもマナーが守られていない状況も見受けられました。このため、行政機関と関係団体が連名でマナーアップサインを設置しました。

ラムサール条約湿地「宍道湖・中海」の英語ページを掲載(自然環境課)

 海外の方にもホームページをご覧いただけるよう、ラムサール条約湿地「宍道湖・中海」の概要を記した英文ページを作成しました。

 

学ぶ・考える事業

宍道湖自然館「ゴビウス」内にラムサールコーナーを設置(自然環境課)

 島根県立宍道湖自然館「ゴビウス」の水族館内にある、汽水の魚たちを集めたジオラマ水槽の前に、宍道湖と中海を紹介したラムサールコーナーを常設で設置しました。汽水域を表現したジオラマ水槽と、ラムサール条約湿地宍道湖・中海コーナーが一体となって、より充実した展示内容になりました。また、季節毎に展示内容が変わりますので、宍道湖・中海の四季をみることができます。

ラムサールコーナー(宍道湖) ラムサールコーナー(中海)

ゴビウス内に設置したラムサールコーナー[宍道湖(左)、中海(右)]

宍道湖・中海実態調査船の運行(自然環境課)

 夏から秋にかけて、こどもエコクラブや指導者を対象に、宍道湖と中海の自然環境を学ぶ学習船を運行しました。

「宍道湖・中海探鳥マップ」の作成(自然環境課)

 環境学習、エコツアーなどにご利用いただけるよう、宍道湖と中海の探鳥スポットの紹介とミニ野鳥図鑑を組み合わせたパンフレットを作成し、希望者にお配りしています。

各種貸し出し用品の整備(自然環境課)

 各種イベント、研修会、学習会等にご利用いただけるよう、貸し出し用品を整備ました。

パネル(ラムサール条約と宍道湖・中海についてわかりやすく解説したもので、全10枚)

■写真パネル(宍道湖・中海の動植物、魚介類、景観、賢明な利用や環境保全活動の紹介などの写真、全46枚)

■のぼり(ラムサール条約湿地「宍道湖・中海」をアピールするのぼり)

■横断幕(宍道湖・中海ラムサール条約シンボルマークをデザインした横断幕)

 

守る事業

みんなで育む宍道湖・中海水環境保全事業(環境政策課)

 宍道湖・中海を対象とした水環境保全事業を公募し、特定非営利活動法人斐伊川流域環境ネットワークに委託して、沿岸小学校を対象とした水環境学習会、湖周辺の活動団体や公民館等を対象とした水環境学習会、ヨシ植栽イベント、上下流連携交流イベントなどを実施しました。

みんなで調べる中海流入河川調査(環境政策課)

 平成18年度は、中海流入河川周辺の小中学校(小学校18校、中学校8校)が水質調査を行いました。

流出水対策モデル事業(農畜産振興課)

 宍道湖と中海がラムサール条約に登録されたことを契機に、農業からの流出水について、適切な水管理により、環境への負荷を軽減する必要があるため、宍道湖・中海への流入河川周辺の4箇所のモデル地区で流出水対策の取組を実施しました。各地区では水稲の水質汚濁物質を抑制する取組を行い、併せて水質調査による検証・評価を実施しました。3月にはこうした取組の検証結果を報告しました。

 この検証結果を基に、今後の農業に活かしていきます。

 モデル地区は次のとおりです。

 ○宇賀荘地区営農組合(安来市)

 ○市向営農組合(東出雲町)

 ○新田下営農組合(斐川町)

 ○三森原農事実行組合(奥出雲町)

利用する事業

中海・宍道湖ラムサール条約シンボルマークの作成(自然環境課)

 島根鳥取両県合同でラムサール条約湿地に登録になった中海・宍道湖を象徴するシンボルマークを募集したところ、全国から651点もの応募がありました。決定したシンボルマークは、各種普及・啓発に活用しております。

宍道湖水草帯保護育成機能調査(水産課)

 宍道湖水草帯(ヨシ・ワンド・リーフ・河口付近)保護育成機能調査を実施し、植物帯が形成される水域が漁業上重要な魚介類の成育に機能している可能性を漁業資源増大の観点から検証し、湖岸域の修繕および造成方法などを提言しました。

炭素繊維を用いた人工植物帯機能調査(水産課)

 炭素繊維製人工植物帯の設置により、蝟集する生物・魚卵等の把握を行い、産卵場として利用する魚類等の生物群を把握する調査を行いました。

宍道湖・中海エコツーリズム推進事業(観光振興課)

1宍道湖・中海エコツーリズム実施モデルの構築

2宍道湖・中海エコーリズムのPRパンフレットの作成、観光客誘致活動

3宍道湖・中海エコツーリズムバスのPR実験運行

その他の関連事業等

県民との協働による島根づくり事業

 「県民との協働による島根づくり事業」により、まつえ市民環境大学村の提案事業を実施しました。

ラムサール登録湿地中海・宍道湖一斉清掃(環境政策課)

 中海と宍道湖が同時にラムサー条約湿地として登録されたことを契機に開催した「中海・宍道湖ラムサール条約登録記念シンポジウム」において、島根・鳥取両県合同で「中海・宍道湖一斉清掃」を実施することが決まり、平成18年から島根・鳥取両県、沿岸自治体が中心となって地域住民、ボランティア団体、企業等の皆様のご参加により、毎年6月に実施しています。

宍道湖・中海水産資源維持再生構想の策定(水産課)

 平成12年度に策定した「宍道湖・中海水産振興計画」を基に、平成13年度から17年度にかけて宍道湖・中海水産振興対策事業を実施し、各種実証試験などを実施し、これまでの5ヶ年間の調査結果を踏まえ、平成18年度から22年度における宍道湖・中海の水産資源の維持再生を図るための「宍道湖・中海水産資源維持再生構想」を策定しました。

 宍道湖については「漁業の維持保全」、中海については「漁業の復活再生」をキーワードとし、施策を推進していくこととしています。

 また、宍道湖・中海の賢明な利用の推進が織り込まれた内容となっています。

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