水産技術センター研究報告17号(2026年3月)
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報文
島根県産マナマコの部位別成分および臭気に関する検討(岡本満・松林和彦・寺谷俊紀・開内洋)(PDF,846KB)
島根県産マナマコの品質を把握するため,アオ型,アカ型それぞれについて部位別の成分を調査するとともに,干しなまこの試作を行った.いずれの部位においても,ATP関連化合物はわずかで,体壁は遊離アミノ酸も少なかった.一方で,縦走筋,腸,アカ型の生殖巣には豊富な遊離アミノ酸が認められた.春季の生食用マナマコにおいて指摘される臭気については,3月や2月が12月に比べ揮発成分のクロマトピークが増大しており,12月から翌年2月,3月にかけて臭気が強くなることが示唆された.干しなまこの試作から,アオ型は干しなまこに,アカ型は生食により適していると考えられた.
島根県に水揚げされるイトヨリダイ類の混じりの実態(寺門弘悦・岡俊秀)(PDF,924KB)
資源評価を行う上で対象種の漁獲量は重要な情報である.新たに対象種となったイトヨリダイの正確な漁獲量を把握するにあたり,2021~2023年に大田市場と浜田市場で水揚物における近縁種(ソコイトヨリ)の混じりの実態を調べた.大田市場の釣り・延縄では延べ16隻でソコイトヨリの混じりは見られず,小底では延べ5隻中1隻で混じり(混在割合0.39%)が見られた.浜田市場の沖底では延べ6ヶ統中2ヶ統で混じり(混在割合0.92%,0.05%)が見られた.いずれも混在割合は低く,現状ではイトヨリダイの漁獲量把握に影響する程度ではないと考えられる.
資料
ケンサキイカ立縄釣(タル流し釣)漁業の操業方法について島根県と福岡県の比較調査(寺戸稔貴・川瀬翔馬・堀内正志)(PDF,1,191KB)
島根県におけるケンサキイカ立縄釣漁業の漁獲効率向上を目的に操業方法について島根県と立縄釣漁業の先進地である福岡県の比較調査を行った.本研究では主に漁具の構成,操業方法のうち漁具の投入,回収および再投入,撤収の内容と各作業に要した時間を調査した.島根県の漁具の使用個数は7個であり福岡県の19個の約4割だったものの各作業に要した時間は福岡県の約2倍以上であり改善の余地があると考えられた.島根県でも福岡県と同様に軽量な漁具を使用,漁場の水深に応じて道糸の長さを調整,航行しながら漁具の投入ならびに再投入を行うことで作業性が改善され漁獲効率が向上すると期待された.
2023年と2024年の江の川におけるアユの産卵場造成と産卵状況 (井口隆暉・寺門弘悦・福井克也・二本木俊二)(PDF,1,357KB)
江の川の天然アユ資源の回復を図るため,2023年と2024年にアユ産卵場の造成を行い,その後の産卵状況を調査した.造成場所は長良の瀬とし,2023年は10月27,28日に,2024年は10月23,25日に造成を行い,造成面積はそれぞれ3,008m2および2,578m2であった.産卵状況調査は両年とも11月中旬に江の川下流の6地点および支流・八戸川で行い,産卵面積の合計はそれぞれ6,723m2および266m2で,このうち造成を行った長良の瀬の産卵面積(利用率)はそれぞれ1,899m2(63%)および42m2(1.6%)であった.2024年の利用率の低さは,11月上旬の増水が影響したと考えられる.
高品質な絞りわかめの安定製造に向けた塩抜き技術の検討 (吉村真理・細田昇・石橋泰史)(PDF,645KB)
絞りわかめ加工における高品質化を検討した。淡水で洗浄・塩抜きした製品が好まれる傾向にあることから,高評価製品を参考として適切な塩抜き時間を原藻のサイズ別に明らかにした.また,高血圧予防の効果があるとされているカリウム含量について,洗浄・塩抜き工程における変化を調査した.葉長80cm,100cm及び150cmの養殖ワカメを絞りわかめに加工する場合,適切な塩抜き時間は5秒~30秒であることが示唆され,葉長150cmが小型と比較して塩分が抜けにくい傾向が認められた.また,葉長100cm以上では塩抜きによりワカメ中の塩分等が減少することで,カリウム含量が相対的に高くなる傾向があると考えられた.
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