• 背景色 
  • 文字サイズ 

気象災害対策(低温及び大雪による農作物等の被害防止対策)

島根県農業技術センター
気象災害対策
平成17年1月28日
島根県農林水産部
(農業経営課専門技術員)
低温及び大雪による農作物等の被害防止対策について
1.施設管理等留意事項(共通)

・積雪状況に注意し、早めにハウスの除雪を行う。必要な場合はハウス内に臨時に支柱を設置し、補強する。
・加温設備のある連棟ハウスの場合、谷に雪がたまるので内張を開けて暖房を行う事によって積雪を溶かすことが可能である。
・ハウスの密閉性を良くし、保温能力を高めるため、破損したビニルは早期に補修する。出入口もしっかりと固定する。
・内張カーテンの破損箇所の修理を行うとともに隙間をふさぐこと。
・ハウスの開閉装置の電源を切り、誤作動しないようにする。
・暖房機の作動確認を行い、暖房用燃料の残量チェックをして必要ならば早めに補充する。
・加温設備がない場合はストーブ等を設置し、低温対策を行う。設置場所はハウス内の風上側に置くよう留意する。また、不完全燃焼や燃料の減少に注意する。
・水道等の水回り設備の凍結対策を行う。特に、養液栽培等の装置の破損を防ぐためハウス内の加温を行う。(湛液式水耕栽培では栽培が無くても溶液の循環を必ず行う)
・雪による停電に留意する。停電の間は加温機が停止するが、その後電気の供給が再開された時の加温機の作動について注意すること。またその間の保温対策を行う。
・電照を行っている場合は停電の間電照ができなくなるが、一時的には問題はない。但し、復旧後タイマーの作動時間が当初の設定と違っているので再度調整する。
・天候の回復後は、ハウスサイドにたまった雪を除去し、側面からの雪の圧力によるビニル破損回避やサイドビニルの巻き上げが出来るようにしておく。
2.野菜の積雪・低温対策

(1)いちごの促成栽培は、最低温度5℃を目標に加温する。2℃で花粉が不稔となり、0℃では花が枯死するため、加温設備がない場合はストーブ等を設置する。
(2)トマトの半促成栽培は、定植後の最低温度10℃以上を目標に加温する。加温設備がない場合はストーブ等を設置し、低温対策を行う。12℃以下になると奇形果やチャック果の発生が高まるが、暖房経費がかかるため、生育状況を確認して実施する。
(3)果菜類の育苗は、電熱温床のため低温の被害は起こりにくいが、停電による温度低下が発生する場合があるため、ストーブ等を設置し停電に備えておく。トンネル被覆は2〜3重に厚くして保温に努める。
(4)ハウス葉菜類は、今までの馴化によって低温には比較的強い状況にあるが、ハウス内温度が氷点下にならないように、必要に応じてストーブ等を設置し、低温対策を行う。凍害を受ける目安は青ネギ:ー5℃、ホウレンソウ:ー2〜ー3℃とされるが、生育ステージや順化の程度によってはこれ以上でも障害が発生するので注意する。
3.花きの積雪・低温対策

(1)切り花
・秋ぎくの電照栽培では品種、生育ステージにあわせた温度確保に努める。
・ストック、キンギョソウは低温によって花器、茎や葉に障害が発生する。特に内張カーテンの無いハウスは注意すること。最低気温5℃を目標に保温を行い、必要に応じてストーブ等の設置を行う。
(2)鉢物・花壇苗
温度確保に留意する。特に幼苗は低温環境に弱いので、温床、加温機等により温度確保を行う。
4.果樹の積雪・低温対策

(1)施設果樹(ぶどう等)
既に発芽した園では0℃以下になると低温害を受けるので保温に努める。
なお、強風や着雪で停電の恐れもあるので、石油ストーブなどを10aあたり3〜4台準備しておく。
(2)露地果樹
積雪による枝折、枝裂け防止対策として支柱を立て結束誘引しておく。
また、幼木樹等で完全に埋没している場合は、「引き込みによる被害」を回避するため融雪前に掘り出す。
(3)常緑果樹
樹冠にコモ等を巻き、低温と寒風による葉や若枝の凍結を防止する。

[気象災害対策のページへ]


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
  <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方>
  迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。
   以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。
  @pref.shimane.lg.jp