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気象災害対策(雪害)

気象災害対策
平成13年3月9日
生産流通課専門技術員スタッフ
雪害対策
1.野菜・花き等の施設

ハウスが近接して設置されている場合は、ハウスとハウスの間に屋根から落ちた積雪が蓄積されて横方向からの圧力がかかるので早期に除雪する。
(1)加温ハウス
早急に除雪し、積雪荷重を軽減するとともに光線透過量を高める。施設が破損した場合は補修し、作物の生育に影響のないよう加温に努める。鉢花等移動できるものは破損していないハウスに移動する。移動できない場合は一時的にビニールトンネル等で保護し、夜間はこも等で保護するほか、ストーブの持ち込みにより保温に努める。(低温に弱い作目では問題がある。)
破損等の被害のないハウスでも、急激な気温低下に伴い燃料消費量が増大し、当初の予定期間ほど加温できない可能性があるのでタンク内の残燃料を確認し、早めに補給する。また必要ならばハウス内部に支柱を設置する。
(2)無加温ハウス
除雪を行うとともに雪により破損した箇所を早急に補修し、植物を保護する。特に冷え込む夜間はこも等で保護する。栽培中で破損していないハウスは必要に応じて支柱を設置する。
生育中の作物が無い場合はビニールを除去し、次の降雪に備える。
2.果樹の雪害対策

(1)棚施設
ブドウ等で大きな被害を受けた園では、捨て石の浮き上がり、周囲ワイヤーの切断などが認められる。
(2)棚の補強
・成熟期の棚への負荷は10a当たり2~3tであり、降雪の場合には、この約10倍の負荷がかかる。
・積雪量が多い場合は、雪を棚から早急に落とす。成熟期には棚への負荷が3~4t/10aであるが、積雪時にはこの10倍以上になることもある。
・アーチ型パイプハウスで主骨間隔が3m以上の場合には、間に支柱を設置する。
・無加温ハウスでは、圃場の面積1a当たり1台のストーブを準備しておく。
・加温ハウスは、外張りと二重カーテンの間に加温用ダクトを各棟に上げることができるように準備しておく。
・ハウスの倒れ防止に筋交いを入れたり、ワイヤーで引っ張りを入れる。
(3)降雪時の融雪方法等
・無加温ハウス栽培で被覆したものは谷部分を開放し、速やかにハウス内へ雪を落とす。さらに降雪が予想される場合には、ビニールの切断を行う勇気も必要である。
・加温機が設置してあるハウスでは,積雪前から加温して雪を融かす。加温機の能力は10a当たり10万kcal以上が理想である。10cm以上の降雪が予想された場合及び注意報が出たら,降雪始めから加温機の設定温度を30℃程度にし、状況を見ながらさらに温度を上げるようにする。
2層カーテン被覆のまま加温機のダクトを棚上まで上げて熱風の効率を高める。
・露地栽培園では,年内に剪定を終了させるのが前提となるが、未剪定園では降雪時に棚を揺らして雪を落とす。
(4)事後対策
1)樹体の対策
・倒壊した樹は除雪し、樹を支柱で支えながら起こす。倒伏した樹は根が傷んでいるのでかん水して土壌を軟らかくしてから徐々に起こしていく。
・起こす前には予備剪定を行っておく。
・主枝・主幹が裂けたものは、傷口に癒合剤を塗布した後,ビニールなどで包み,ヒモで縛って固定する。太い幹はドリルで穴をあけ、ボルトで固定する。
・湾曲した部分は、樹体内部(組織)に障害を生じ、樹液流動が低下するので、切り返し剪定を中心に地上部と地下部とのバランスをとり、若返りを図る。
・根元から倒壊した樹(横倒し)は、根が切断されている可能性があるので、剪定は切り返しを中心に樹冠を縮める。
・施肥は有機質肥料を中心に施用し、生育の状況をみながら追肥は数回に分けて行う。
・傷口などから病害の侵入が懸念されるので、発芽前防除を徹底する。

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