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○作物名:タマネギ

○病害名:べと病、白色疫病、腐敗病


べと病、白色疫病○概要
べと病は、古くから発生しており、発生面積や被害の激しさなどからタマネギの栽培上最も重要な病害となっている。近年では昭和60年に県下で多発生した。白色疫病は、昭和30年の後半に発見された比較的新しい病害であるが、激しく発生すると減収をまねくほか、収穫後の貯蔵性も劣るので注意すべき病害である。

○病徴と診断
べと病

 葉に発生する。秋、幼苗期に感染した株が越冬ののち早春になって全身的症状を現す場合と、春に二次感染して発生する場合との二つの病徴がある。前者は冬季間に株全体に菌糸がまん延するため生育が悪い。葉は光沢がなく淡黄緑色となり、弧を描いたように横にわん曲しやや萎縮ぎみとなる。温暖多湿だと全体に白色霜状にかびが生える。また、後者は葉に長楕円形または紡錘形の黄色がかった大きな病斑をつくる。病斑がつくられた葉は、その部分から折れやすくなり、すぐ枯れる。湿度が高いと病斑状に白色、のちにネズミ色となる霜状のかびが生える。
白色疫病

 主に葉に発生する。はじめ葉の中央部や先端部付近に油浸状で暗緑色不正形の病斑ができ、しだいに拡大したのち白色に変わる。病斑部は枯れて垂れ下がる。根が侵されると褐変腐敗する。

○発生生態
べと病

 本病菌は主に被害茎葉とともに卵胞子と呼ばれる特殊な胞子の形で越夏し、10〜11月に苗床で雨水のはね帰りなどによって葉上に伝染する。秋に感染した苗は、早い時期のものはそのまま発病したり、株全体が保菌したまま冬を越す。冬の間、全身に菌糸がまん延した結果、早春の全身感染状となり、この病斑状につくられた胞子によって春の二次伝染が始まる。
白色疫病

 本病は被害株につくられた卵胞子や厚膜胞子と呼ばれる特殊な胞子の形で土壌中で長く生き残り、越夏、越冬する。秋や早春に卵胞子から遊走子のうをつくり、遊走子(べん毛を動かして水中を自由に泳ぎまわる胞子)を放出する。この遊走子がタマネギ茎葉にたどりついて侵入する。このように本病の発生やまん延には水が大きな役割を果たすので低湿地や排水不良地で発生が多くなる。

 

 

○その他

 タマネギの病害としてこれら病害以外に腐敗病を確認している。これは細菌によっておこる病害である。

 

外部リン日本植物病名データベース

タマネギべと病(外部サイト)

タマネギ白色疫病(外部サイト)

タマネギ腐敗病(外部サイト)

腐敗病

 


 


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島根県農業技術センター
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