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○作物名:ピーマン、メロン

○病害虫名:タバココナジラミバイオタイプQ

(BemisiatabaciBiotypeQ)

 

○概要

 平成17年秋に県内の施設野菜産地県東部(ピーマン1圃場、メロン1圃場)においてコナジラミ類の発生調査を実施した。その結果、県東部の2ほ場でタバココナジラミの発生がみられた。本虫を採取し、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構野菜茶業研究所に遺伝子解析を依頼した結果、本県未発生のタバココナジラミバイオタイプQであることが判明した。国内では、本県の他に西日本を中心に12県(平成18年2月23日現在)で発生が報告されている。

 

○形態及び生態

1)タバココナジラミには、これまでに異なる41の系統(バイオタイプ)が存在し、国内では、在来2系統(バイオタイプ不明)、シルバーリーフコナジラミ(バイオタイプB)、バイオタイプQが確認されている。バイオタイプとは寄主選好性や寄主植物に与える生理障害の有無、個体群間の交雑能力の差異、遺伝子型の相違などの形態以外の生物的な性質が異なる系統のことである。

2)バイオタイプQはスペイン、イタリア、イスラエル、中国、アメリカなどで発生しているが、生態に関しては不明な点が多い。また、シルバーリーフコナジラミ(タバココナジラミバイオタイプB)との形態上の差異は確認されていない。

3)バイオタイプQは他県での薬剤感受性試験の結果から、シルバーリーフコナジラミと比較して、ピリプロキシフェン剤や一部のネオニコチノイド系剤に対する抵抗性が高いことが報告されている。

4)タバココナジラミは、ナス科、ウリ科をはじめ多くの野菜や、花卉類、雑草等の多くの植物に寄生が報告されている。

5)シルバーリーフコナジラミと同様に、トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)を媒介することが確認されている。

 

○防除対策

 

タバココナジラミ成虫タバココナジラミ蛹

1)生産地が明らかな苗を使用し、ウイルス病の発生に注意するとともにコナジラミ類の寄生が疑われる苗は使用しない。

2)増殖源となる、ほ場周辺の雑草類の除去を徹底する。

3)施設栽培ではの出入口やハウスサイド、天窓などの開口部には、できるだけ目の細かい(0.4mm程度が望ましい)防虫ネット等を張って、外部からのコナジラミ類の侵入を防ぐ。また、光反射資材織り込み寒冷紗や光反射マルチ、紫外線除去フィルム、黄色粘着板(テープ)等の物理的防除法を活用する。

4)薬剤抵抗性が発達している可能性が高いので、上記の耕種的防除法や物理的防除法を実施した上で薬剤による防除を実施することが望ましい。また、有効薬剤に対する薬剤抵抗性の発達を回避するために、できるだけ同一系統薬剤の連用は避ける。

 

 

 

 

 

図タバココナジラミ(左:成虫、右:蛹)


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