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○作物名:ムギ

○病害名:さび病類


写真サビ病類

○概要
ムギのさび病には4種類あるが、島根県で問題となるさび病は小さび病、赤さび病、黄さび病の3種である。小さび病、赤さび病はほぼ毎年発生がみられる。しかし、黄さび病は年によって差が人きく、発生する年としない年があり、近年では昭和58、63年にコムギで多く発生した。

○病徴と診断
葉、葉鞘に1mmから1cmくらいの斑点ができ、表皮が破れ、その間から鉄の銭に似た色の粉(夏胞子)が盛り上がってくるのでさび病の名がある。ムギの成熟期になると同機の大きさの黒い小斑(冬胞子層)があらわれる。
赤さび病はコムギだけに発生し、葉、薬鞘に赤褐色、小形、楕円形の夏胞子層と黒色で表皮の破れない冬胞子層とをつくる。小さび病はオオムギだけに発生し赤さび病に似ているが、夏、冬胞子層ともやや小さい。黄さび病はオオムギ、コムギの両方に発生する。小形で鮮やかな黄色の夏胞子層が、葉脈に沿って縦に並び、黄色のすじになるのが特徴である。さび病にかかると生育は悪くなり、穂数や粒数が減少し20-30%の減収となる。とくに黄さび病は進展が速く、多発したときの被害が大きい。

○発生生態
赤さび病はムギの収穫後、こぼれ麦に感染して夏を越し、秋に播種されたムギに発生し冬を越す。春にここでつくられた夏胞子が伝染源になる。小さび病も赤さび病と同様、各地で越夏、越冬して発生するものとみられる。黄さび病は他のさび病よりも高温に弱いので、一般には国内で越夏できず秋の発生はみられない。中国大陸では秋に発生が認められており、早春に黄砂とともに夏胞子が飛来して、発生源になるものと推測されている。
冬が暖かで雨が多かったり、多窒素で春先に麦がよく繁茂した年には、早くから発生し被害も大きい。

○防除法
1.なるべく耐病性品種を栽培する。
2.早播しない。
3.畑の近くにこぼれムギを残さない。
4.窒素肥料の過用を避け、また多量の晩期追肥で遅できとならないようにする。
5.発病ごく初期から2〜3回散布する。とくに黄さび病はまん延が速いので早期防除が重要であり、糊熱期以前に発生すれば必ず散布する。

資料:島根県農作物病害虫雑草図鑑

 

○外部リン日本植物病名データベース

オオムギ小さび病(外部サイト)

コムギ赤さび病(外部サイト)

コムギ黄さび病(外部サイト)

 


 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
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