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○作物名:クリ

○虫害名:クリオオアブラムシ



寄生状況○概要
本種はクリイガアブラムシ、クリヒゲマダラアブラムシとともにクリの代表的な油虫である。他のアブラムシとは異なり枝に集団で寄生して樹液を吸う。クリのほかクヌギ、コナラ、アカガシ、ウバメガシなどの樹木にも寄生する。

○被害と診断
クリの新梢や若枝に翅のない大型の黒いアブラムシが群がって寄生している。4月から晩秋まで発生するが、クリでは夏季には比較的少なくなる。新梢や若枝に寄生して樹液を吸うが、葉やきゅう果に寄生することはまれである。多発生すると新梢の伸長が悪くなり、しおれることもある。また、排泄物にすす病が発生し、枝が黒くなる。成木では樹の生育に影響するほどに激発することは少ないが、苗木では被害が大きい。
無翅雌成虫の体長は4〜5mmで光沢のある黒色である。有翅成虫はやや小さく約4mmで黒い大きな翅を持つ。越冬卵は長楕円形で、はじめ暗赤褐色であるが、のちに黒色となる。

○発生生態
年間の発生回数は不明であるが、越冬は卵で行われる。越冬卵は幹や主枝に産みつけられるが、日当たりによい南側の雨がかかりにくい枝の下面に多い。卵は光沢のある黒色で塊として産みつけられ、数千個におよぶ大きな卵塊もまれではない。越冬卵は通常4月上旬にふ化するが、暖冬年には3月中にふ化することもある。ふ化幼虫は新梢や枝から樹液を吸って発育し、無翅雌成虫となる5月頃に発生する第3世代では有翅雌成虫が多く発生し、クリやクヌギ、カシ類に移動分散秋まで盛んに繁殖する。10月頃になると越冬卵を産む無翅卵生雌と有翅雄成虫が出現し、交尾して10月末〜12月上旬に幹や主枝に群がって産卵する。





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