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○作物名:クリ

○虫害名:クリタマバチ

 


被害と幼虫写真○概要
昭和16年、岡山県で初めて発生が認められた。その後全国のクリ園に広がったが、抵抗性クリ品種の普及で被害はほとんど見られなくなっていた。しかし、昭和41年頃から一部の抵抗性品種にも被害が発生するようになり、現在では全国的に被害が問題になってきている。

○被害と診断
被害は芽に現れる。クリの展葉がはじまる頃、前年夏に寄生された芽は伸長せず、肥大して虫こぶができる。虫こぶは光沢のある緑色をしているが、のちに赤色となる。虫こぶの頂部には数枚の葉をつけているが新梢は伸びず、クリタマバチ成虫が脱出したあとで枯れる。虫こぶの大きさや量はクリの品種によって異なる。クリタマバチに対して抵抗性の弱い品種では虫こぶは大きく、数も多い。また、1個の虫こぶにたくさんの幼虫が寄生している。抵抗性の強い品種では若齢幼虫のうちに死亡することが多く、虫こぶは少なく、小さいものが多い。
成虫は体長2.5〜3mmの小さい蜂で、全体が光沢のある黒色である。雌だけが知られており、雄は見つかっていない。卵は乳白色、楕円形で芽の組織内に産みつけられる。幼虫は乳白色で老熟すると約2mmで脚はない。芽の組織内に卵形の部屋(虫房)をつくって加害する。

○発生生態
年1回発生する。成虫は6月下旬〜7月中旬頃虫こぶに穴をあけて脱出し、1芽に5〜6個ずつ産卵する。産卵は品種や樹勢によって異なるが、枝の側芽や腋芽に多く、頂芽には少ない。卵のふ化は8月上旬頃から始まり、幼虫は芽の生長点などに食入して加害する。しかし、年内にはあまり発育せず、若齢幼虫のまま越冬する。翌春4月頃になると再び発育を始め、5月下旬〜6月中旬に蛹になる。成虫は羽化後数日間虫こぶの中に留まった後脱出する。

 

 

 


 

 


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