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○作物名:クリ

○虫害名:クリイガアブラムシ

 


被害と成虫の写真○概要
別名クリキナコムシと呼ばれている。近年防除の不徹底などから発生が多くなってきている。

○被害と診断
被害はきゅう果に現れる。クリの花が咲く頃になると新梢に寄生していた虫が幼いきゅう果に寄生して産卵する。寄生されたきゅう果はイガが褐変し、7月下旬頃になるとイガが裂けて未熟な果実がのぞきいわゆる“若はぜ”となる。若はぜしたきゅう果は落下するものが多いが、樹上に残ったものはモモノゴマダラノメイガなどの害虫の加害をうけやすい。若はぜしたきゅう果の果実に寄生すると、果実が熟して茶色に着色してきても吸汁部は黄色のまま残り商品価値がなくなる。
被害きゅう果は無翅の成虫や幼虫が寄生し、俵型の鮮黄色の卵が多数産みつけられている。多数発生しているきゅう果は一見きな粉をまぶしたように見える。雌成虫は黄褐色で、体長は約1mmである。

○発生生態
越冬は葉柄痕や樹皮のくぼみなどに点々と産みつけられた越冬卵で行われる。越冬卵はクリが展葉する頃にふ化し、幼虫が新梢で発育する。クリの花が咲く6月中旬頃になると幼いきゅう果に移動して産卵する。その後はきゅう果だけで生活し、年間数世代を経過する。このあいだ、雌成虫は他のアブラムシと異なり、卵を生むが、この卵からふ化した幼虫は成長するとすべて雌となる。秋になると、雌になる卵と雄になる卵を生む産性雌が出現して産卵する。この卵がふ化して成長した成虫が交尾して越冬卵を生む。この成虫にも翅がなく、年間を通して有翅型の発生はみられない。有翅型成虫がいないため、分散は重なり合った枝や葉を歩行して行うほか、ふ化幼虫が風で運ばれると言われているが明らかでない。

 

 

 

 


 

 

 


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