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○作物名:カキ

○虫害名:カメムシ類

 


果樹カメムシ類の被害と果樹カメムシの写真○概要
果樹を加害するカメムシ類は30種類が記録されているが、カキでの主要種はチャバネアオカメムシとクサギカメムシである。年によりツヤアオカメムシの加害もみられる。カメムシ類による果樹での被害の記録は古く、明治末期に既に報告されている。島根県では大正7、8年にクサギカメムシの加害で、モモ、ナシに大被害が発生している。昭和48年以降はほぼ隔年で被害が果樹(カキなど)で多発生している。

○被害と診断
カキ園に飛来した成虫が果実を吸汁する。被害は果実だけで、葉、枝などに発生することはない。果実の吸汁された部分は水浸上に黒ずみ、その後、黒褐色に変色したり、着色せず緑色のままであることが多い。吸汁部は果実が肥大すると陥没する。なお、吸汁部の果肉は海綿状となる。加害は7月から始まり10月頃まで続く。7月〜9月上旬に加害された果実は落下するものも多い。
チャバネアオカメムシ成虫は体長11mm内外で、緑色の体に茶色の翅を持つ。クサギカメムシ成虫は体長14〜18mm、暗褐色の地に茶褐色の不規則な斑点がある。ツヤアオカメムシ成虫は体長11〜17mm、全体が光沢のある緑色である。いずれのカメムシも特有の臭いを出す。

○発生生態
いずれも成虫で越冬する。チャバネアオカメムシは落葉下、クサギカメムシの家屋内や樹皮間隙、ツヤアオカメムシは常緑広葉樹の繁みなどで越冬する。これらのカメムシはきわめて雑食生で、多数の植物に寄生するが、定着して増殖するのではなく、次々と好適な餌植物に移動していく。カキもそのうちの一つであり、幼虫は発育できない。幼虫の発育がみられる植物は、春から初夏にかけては結実したサクラやクワ、その後はスギやヒノキのきゅう果やイヌツゲの実などである。スギ、ヒノキのきゅう果が少ない年には果樹の被害が多い傾向にある。
年間の発生回数はチャバネアオカメムシ1〜2回、クサギカメムシ、ツヤカメムシが1回である。

 

 

 

 


 

 

 


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