• 背景色 
  • 文字サイズ 

○作物名:イネ

○虫害名:カメムシ類


カメムシの写真○概要
島根県では,昭和47年頃から山間地でササの開花によりナガムギカスミカメが異常発生し,斑点米が多発生して問題となった。その後,ササの開花は終わりナガムギカスミカメの発生はみられなくなった。しかし,現在でも主に田植時期の早いイネでその他のカメムシ類による斑点米が発生しており,本県でその原因となる主なカメムシは5種類いる。

○被害と診断
成虫,幼虫とも口針をイネのもみに差し込み吸汁する。もみの未熟な時期に吸汁されるとしいなになるが,玄米がある程度肥大した時期以降に吸汁されると,玄米に汚斑ができる斑点米となる。玄米の頂部や側部の吸汁痕周辺の一部分が褐色で大部分が黒褐色になっている粒はアカスジカスミカメによる斑点米であり,これは主に山間地で発生する。また,吸汁痕の周辺が黄変してその縁が褐変している粒はその他のカメムシ類による斑点米である米の検査規格では,斑点米の混入率が0.2%以上であれば等級格下げとなる。
ホソハリカメムシの成虫は体長が約10mm,全体が黄褐色である。シラホシカメムシの成虫は体長が約5mm,黒色で胸部背面の後方に丸みをおびた白斑がある。トゲシラホシカメムシの成虫はシラホシカメムシと似ているが,胸部背面の両端はとがり,後方の白斑は楕円形である。クモヘリカメムシの成虫は体長が約16mm,全体が緑色である。アカスジカスミカメの成虫は体長が約5mm,淡黄緑色で背面に橙黄色の縦縞がある。

○発生生態
年間の発生回数は種類によって異なり,1〜4回である。ホソハリカメムシ,トゲシラホシカメムシ,シラホシカメ虫は主に枯れたイネ科雑草の地際付近で,クモヘリカメムシはスギやヒノキなどの枝葉や下草の中でいずれも成虫が越冬する。アカスジカスミカメは主に山間地で発生し,イネ科雑草の穂で卵で越冬し,6月初めに成虫となる。カメムシ類の成虫は5月頃から出穂したイネ科雑草やムギなどに飛来し増殖する。種類によって異なるが水田に飛来するまでに1〜2世代ぐらい経過し,その後イネが出穂する頃から水田へ飛来して,加害する。出穂の早いものに多く飛来するため,斑点米の発生が多くなる。

 

 


 

 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
  <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方>
  迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。
   以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。
  @pref.shimane.lg.jp