• 背景色 
  • 文字サイズ 

○作物名:ダイズ

○害虫名:ミナミアオカメムシNezaraviridulaL.

 

○概要

 平成19年10月6日に九州大学名誉教授湯川淳一博士らが島根県浜田市、江津市、大田市においてミナミアオカメムシの調査を行ったところすべての圃場でミナミアオカメムシが確認されたとの連絡を受け、同年10月10日に島根県東部(松江市、出雲市、雲南市及び斐川町)のダイズ、インゲン圃場において幼虫を採集した。成虫まで飼育したものを湯川博士に同定を依頼したところ、雲南市の個体群でミナミアオカメムシが確認された。

 本種は、本州、四国、九州、南西諸島、小笠原諸島、台湾、中国、東南アジア等に広く分布する。近年では平成14年に福岡県、17年に大分県、18年には静岡県で発生が確認され、温暖化によって分布域を拡大していると考えられる。

 

○形態及び生態

 成虫は、体長12.0から16.0mmで、アオクサカメムシによく似ているが、体がやや縦長に見えること、触角第3から5節の先半部が褐色(アオクサカメムシは黒色)、半翅鞘革質部の下の腹背部が帯緑色(アオクサカメムシは黒色を帯びる)であることなどで識別できる(図)。

 ミナミアオカメムシ成虫の写真幼虫は、1から3齢幼虫は体色の違いによりアオクサカメムシと見分けることができるが、4から5齢幼虫は見分けがつかない。

 成虫は常緑樹の植え込みや生け垣、茂み、屋根瓦の下などで越冬し、4月頃に活動を開始する。成虫の寿命は、越冬期は約7ヶ月、夏には50日である。産卵期間も長いので世代が重なる。卵期間は5から7日、幼虫期間は25日である。日中に交尾し、その後、葉に産卵する。成虫は日中に活動するが走光性がある。

 冬期の最寒月の平均気温が5℃以下のところでは、ミナミアオカメムシの死亡率が高くなるため冬の気温によっては北限は上下する可能性がある。

 

 

○被害の特徴

 ダイズの本県での被害状況は不明であるが、他県では莢内の子実から吸汁するため、莢が落ちるか肥大せず緑色のまま収穫期まで残る。また、イネでも発生が確認されており、モミを吸汁して斑点米を産出する。他の斑点米カメムシに比べ体が大きく吸汁量が多いため、少数でも被害が大きくなる。

 図ミナミアオカメムシ成虫

(写真:福岡県病害虫防除所提供)

 

○寄主植物

 広食性で32科145種の植物本種の寄主植物は32科145種が報告されており主な作物は次のとおりである。イネ科(イネ、ムギ、トウモロコシ)、ナス科(ナス、トマト、ジャガイモ、タバコ)、マメ科(ダイズ、エンドウ、ソラマメ)、アブラナ科(キャベツ、ハクサイ、アブラナ、ダイコン)、ミカン科(カンキツ類)、バラ科(ナシ、モモ)、クワ科(イチジク)、ブナ科(クリ)、キク科(:キク)

 

○防除対策

1)発生を確認したら、各作物カメムシ類登録の薬剤を使用基準を確認した上で散布する。

 


お問い合わせ先

農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
 TEL:0853-22-6708 FAX:0853-21-8380
 nougi@pref.shimane.lg.jp
  <携帯・スマートフォンのアドレスをご利用の方>
  迷惑メール対策等でドメイン指定受信等を設定されている場合に、返信メールが正しく届かない場合があります。
   以下のドメインを受信できるように設定をお願いします。
  @pref.shimane.lg.jp