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○作物名:ブドウ

○虫害名:ハダニ類

 


ハダニ類の被害の写真○概要
ハダニ類はハウスブドウの重要害虫である。ブドウを加害する種はカンザワハダニ,スミスハダニ,ナミハダニ,ブドウヒメハダニなどがある。島根県で発生が多い種はカンザワハダニとブドウヒメハダニである。

○被害と診断
カンザワハダニはブドウの葉裏に寄生して汁液を吸う。吸汁された葉は葉の表面が白くかすり状になり,しだいに褐色となって落葉する。発生している部分は棚上からみると葉の生気がなくなり,くすんで見える。葉裏には成虫,若虫,幼虫,卵がみられる。雌成虫は体長0.4〜0.5mm暗赤色楕円形で4対の脚をもっている。若虫,幼虫はオレンジ色で体の両側に黒い紋がある。卵は透明であるが,ふ化する前には短赤色となる。
ブドウヒメハダニは新梢,葉,果房に寄生して汁液を吸う。新梢では伸長し始めた新梢基部,葉では葉柄や葉脈,果房では穂梗や果梗が加害される。被害部はいずれも褐色〜黒褐色となり硬化する。このため,新梢の伸長は鈍り,葉は黄化して落葉する。果房では顆粒の肥大や着色が悪くなり商品価値が著しく低下する。雌成虫は赤色偏平で体長0.3mmである。

○発生生態
カンザワハダニは1年間に露地では10〜11回の発生を繰り返している。雌成虫が樹皮や落葉の隙間に入り,休眠して越冬する。越冬成虫は1月頃には休眠からさめ,餌と温度があれば産卵して増殖する。このため,加温ハウスでは園内で越冬したダニが展葉初期から寄生する場合もあるが,通常は5月中旬以降に園外から侵入して加害する。発生ははじめ局部的であるがしだいに園全体に広がる。発育は早く,20℃では産卵から次の産卵まで約20日である。発生が多い時期は7〜8月である。雌成虫は平均20〜30日間生存し,40〜50個の卵を葉裏に産む。10月中旬〜11月上旬にはブドウの粗皮下などに移動して越冬する。
ブドウヒメハダニは成虫が芽の中や3〜4年枝の樹皮下に集まって越冬する。新梢が伸長し始めると新梢基部で加害増殖する。果実の硬核期頃になると果房や葉に移動して加害する。

 

 

 

 


 

 

 


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