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○作物名:ブドウ

○病害名:黒とう病



病徴の写真○概要
本病はわが国のブドウ産地でごく普通に発生しているが,とくにネオマスカットなど欧州系の品種は弱い。島根県では,本病に比較的強いデラウェアを主に栽培しているが,そのデラウェアの若木を中心に昭和38年に多発生して問題となった。近年では,これが老成木になるにしたがって,本病もほとんど問題なくなっている。しかし,最近では,本病に弱い甲州などが醸造用として栽培されてきており再び脚光を浴びている。

○病徴と診断
葉,果実,新梢,巻ひげなどに発生する。葉では最初褐色の小班点が現れ,その後周辺黒褐色,中心部灰白色〜褐色,2〜3mmの円形病斑に拡大し,中心部は脱落して穴があく。病斑は中肋や,葉脈に沿ってでることが多いので,葉がゆがんだり巻き込んだりする。新梢や巻ひげでは最初円形,黒褐色の小斑点ができ,しだいに拡大してややへこんだ楕円形病斑となる。その長さは2〜5mmで,中心部が灰白色〜褐色,周辺は黒褐色の病斑となる。果実でははじめ褐色小班ができ,しだいに拡大して径2〜5mmの円形病斑となり,多少へこむ。病斑周辺に鮮紅色〜紫色のバンドができる。

○発生生態
病原菌は結果母枝や巻ひげの病斑のなかに菌糸の形で越冬する。4〜5月頃の降雨で病斑の上に胞子を多数つくり,雨によって飛散する。新梢,若葉,果穂などに達した胞子は表皮から侵入し,3〜7日後に発病する。病斑ができて数日後には胞子が形成され,降雨のたびに二次伝染が繰り返される。
5月の多雨や,梅雨期に冷雨が続くと発病が増加し,まん延が著しい。高温乾燥の盛夏期には発病が一時停止し,気温が下がって秋雨が降るようになると再び発病する。本病に対しては,ネオマスカット,マスカットベリーA,甲斐路,甲州は弱く,デラウェア,スチューベンは強く,巨峰,ピオーネはその中間である。

 

 


外部リン日本植物病名データベース


 


 


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