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○作物名:バラ

○虫害名:イバラヒゲナガアブラムシ

 


イバラヒゲナガアブラムシの発生状況および成虫○概要
成虫と幼虫がバラの新梢や新芽など柔らかい部分に寄生し、汁液を吸う害虫である。バラにはこの他モモアカアブラムシ、バラミドリアブラムシなど数種類が寄生するが、本種の発生が最も多い。

○被害と診断
本種はバラの新梢先端の柔らかい部分や若葉、花梗、花蕾などに好んで寄生し、古い葉には寄生しない。成虫と幼虫が多数群れをなして汁を吸うため、新梢の伸長が抑制され、花弁や葉の展開も妨げられ花や葉が変形することもある。また、排泄物に発生したすす病や脱皮殻により、葉が汚れ商品価値が著しく低下する。
アブラムシ類には同じ種類のなかでも条件によって有翅虫と無翅虫が出現することが知られている。
本種はアブラムシとしては比較的大きく、無翅虫は体長約3mm、体色は緑色ないし黄緑色で、頭が赤緑色を帯びている。脚は黄緑色である。有翅虫は体長約2.6mm、頭と胸は淡黒色〜黒色で、腹部は黄緑色、腹部の背側に4個の黒い斑紋がある。触覚と脚は黒く、翅は透明で翅脈は黒い。
バラに寄生する他のアブラムシのうち、モモアカアブラムシの無翅虫は体長1.8〜2mmで本種より小さく、寄生部位も新芽や若葉のほか花にも寄生する。また、バラミドリアブラムシは体色が緑色で本種ににているが、無翅虫は体長1.2〜2.5mmで本種より小さい。

○発生生態
イバラヒゲナガアブラムシは栽培バラや野生のイバラだけで一年中生活する。寒い地方では芽の基部や落葉した葉の基部に産みつけられた卵で越冬し、暖かい地方では樹上にごくわずかに残った葉や剪定後に伸びた新芽に成、幼虫が寄生して冬を越す。島根県では両方の越冬方法がみられる。3月下旬頃より発生がみられ5月中旬〜6月に最も多くなる。生育には20℃ぐらいが適温で、夏の高温時にはほとんどみられなくなるが、9月には再び増加する。本種の発育は速く、好適条件下では7〜10日で成虫になる。

 

 

 

 


 

 

 


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