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掲載企業インタビュー VOL.5

CNC横型ホブ盤 Artis Hb056LS  清和ジーテック

 

創業100周年の歯車加工機メーカー、高速・高精度な小型歯車の加工分野にも進出


 1920年に大阪市で起業し、今年で創業100周年を迎えた清和鉄工(出雲市斐川町上直江、達俊彦社長)は、国内外の600社と取引がある歯車(ギア)加工機メーカーで、主力である自動車関連以外の新分野を開拓したいと取り組んだのが小型の歯車加工機(ホブ盤)でした。その第1号が歯車加工機「Artis HB056LS CNC横型ホブ盤」で、それ以来、高速・高精度で極小サイズの歯車生産を可能にした機器の開発を進めており、世界トップクラスの歯車加工機メーカーとして確固たる地位を築いています。

 

ArtisHB056LS

         小型歯車加工機「Artis  HB056LS

 

▼国内外のメーカーから引き合い

 同社の売り上げは、自動車関連が6割を占め、トヨタなど国内外の名だたる自動車メーカーと直接、間接的に取引し、各社に供給しているギアホーニング(超仕上げ)盤は国内トップシェアを誇り、高精度で静粛なギアは世界的に知られています。

 ただ近年は、ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)が普及し、トランスミッションが不要になる時代が来るのではないかという危機感があり、2014年頃から「新たな歯車の世界」を探すことになりました。そこで目を付けたのが小型のモーターや減速機の分野でした。

▼高度な技術で新分野を開拓

 挑戦したのは自動車の歯車よりも大幅に小さい歯車を加工する機械の開発。極小歯車は100万個単位といった大量生産で加工スピードの速さ、時間の短縮などが求められました。

 加工機を一から設計し、部品を組み立て、社内評価を重ねて製品化を目指しました。小さな歯車はホブ(歯車切削用の工具)も小さくなり、回転速度も上げる必要があります。発熱への対応策を考えたり、周辺機器を変更したりするなど、社員一丸となって試行錯誤が続きました。構想から約2年を経て誕生した1号機は、これまで受け継いできた高い技術力を生かして加工効率を高め、低振動で低熱変位、超高剛性切削を可能にし、国際見本市で関係者の高い評価を得ました。

 

ホブを手にする達社長

             加工機用のホブを手にする達俊彦社長

 

ものづくりの姿勢が信頼を生む

ものづくりにかける想いと今後の展望を語る達社長

達社長に、ものづくりにかける想いと今後の展望を伺いました。

 

 

 同社はアフターサービスや機器のメンテナンスにも力を入れているほか、機械の納入時には、海外であっても製作担当者が出向いて立ち会い、最終調整をします。そのため、20年前に取引があったスペインの企業から「20年間、故障がなかった」と、再度注文が入るなど、ものづくりへの真摯な取り組みが信頼を得ています。

 達社長は今後、機械の精密化で小型モーターが必要になるとわかった自動車分野などを主軸としながら、医療や航空分野、産業・介護用ロボット機器での需要増を見込み、「世界のトップレベルの製品に使われる歯車と関わり、日本の産業の下支えをしている自負を持ち、社業に取り組んでいきたい」と話しています。

 


■会社概要

清和ジーテック株式会社

代表取締役社長 俊彦

http://segtec.jp/(外部サイト)

所在地:島根県出雲市斐川町上直江2139-5

TEL0853-72-0306

FAX0853-72-0343

 

 


お問い合わせ先

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