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9.裂果対策

2)収穫果実の裂果対策


果実の裂果は主に樹上で発生するが、収穫・出荷した後にも起こり、長雨の続く時には生産者は大変心配をする。この対策として、数年前から生産者の間では家庭用の除湿器を用いて効果をあげている。本県果樹生産技術指導推進会議では除湿器の使用基準を以下のようにまとめ、指導を行っている。
除湿器には除湿専用と冷風兼用の2タイプがある。ドライ機能のあるエアコンも除湿器として利用できる.収穫期に2日ぐらい雨がつづき、裂果がみえたり、収穫した果房の果軸から水滴がでるような場合に、荷作り前に使用する。

(1)除湿専用器
原則として密封して使用するが、果実が濡れている場合は運転初めに末端を開放しておいてもよい。運転熱が発生するから、時間とともに次第に室温は高くなる。温度が高いほど、また吐き出し口に近いほど多くの水分を奪う力があるが、長時間かけ過ぎると減量が著しく、店持ちを悪くする可能性がある。したがって、吐き出し口から直接ぶどうに温風があたらないよう工夫する。処理時間は、ぶどうの量や水の含み具合で加減するが、通常2〜4時間程度とし、できれば途中で吐き出し口の位置を入れ替えるようにして、収穫物の乾燥程度の均一化をはかる。裂果からでる果汁が乾き、選果に手間取らぬ程度になれば除湿を終わる。
兼用器を冷風運転で使用する場合は、排熱温風を室外に排出する工夫をしなければならない。除湿効果は少し落ちる。冷風運転の利点は、長時間の使用でも過剰処理の害が出にくいことである。結露防止のため外気温との差が大き過ぎないよう注意する。なお、外気温が低すぎたり高すぎたりすると使用できないので、使用可能温度範囲を確認しなければならない。
除湿器

(2)エアコンタイプ
放熱・排水を行う室外機がある。密封してドライ運転とするが、乾燥主体の場合は室温はやや高めの方が短時間で乾燥する。作業に合わせて乾燥を図る場合は、温度設定を人間の都合にあわせればよいが、外気温より低すぎると搬出したとき結露するから温度差には注意する。
(岡本敏)

 



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