一般に最も多く用いられている樹形はＸ型自然形整枝であるが、それ以外のブドウの代表的な樹形にＨ型整枝がある。前者は結果母枝を長く残してせん定を行うのでＸ型長梢せん定、後者は結果母枝を短くせん定するのでＨ型短梢せん定とも言う。Ｘ型整枝は樹勢のコントロールがしやすく、しかも揃った品質の良い果実を最も効率的に多く成らせることができるという利点があるため、県下のほとんどの農家がこの整枝法を用いている。しかし、負け枝ができやすいため、せん定には熟練した技術が要求される。
反面、技術的理解がしやすく作業性の面でも良いのがＨ型短梢せん定である。ただ品質面や収量面においてＸ型整枝に比べて劣るため、本県ではごく一部の農家でしか行われていない。
この他ブドウの整枝法には垣根仕立てやマンソン仕立て、あるいは最近開発されたレインカット仕立てなどがあるが、本県の風土に適しているのか、またデラウェア種ではどうなのかなどの点について詳しいデータが得られておらず、他の整枝法も含めて研究が待たれる。