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船通山の昆虫

船通山で見られる昆虫たちを紹介します。

船通山のチョウ

桜の開花するころ、地上1〜2mの高さを飛ぶ白い蝶はツマキチョウ。雄は前はねの先端部に黄色の紋を持っています。コツバメ、ミヤマセセリなどとともに、春先の短期間だけ姿を現します。5月ごろには大型のアゲハの仲間を見られます。アゲハの仲間は一定のコースを飛ぶ習性があるので、一度姿を見た地点で待っていると再び飛んでくることがあります。せかせかと飛び回る小さな蝶はセセリチョウの仲間です。見た目は蛾に似ていますが、れっきとした蝶です。6月にははねの裏面に黒点があるホシミスジが登場します。真夏には、大型のアゲハの仲間や国蝶のオオムラサキも姿を見せます。秋には成虫越冬するウラギンシジミ、ムラサキシジミ、キチョウ、ルリタテハなどしか見られなくなります。


(1)アゲハチョウの仲間

  
大形で美しい黒、黄、青などの色とはねの模様に気をつけて観察しましょう。親は自分の食草以外には産卵しません。卵は普通4週ほどで親になります。黄色のものはは明るいところ、黒色のものは林を好んで飛びます。

  
・モンキアゲハ:体は黒く、後ろはねに淡黄紋と赤い半月紋があります。
・カラスアゲハ:体は黒く、後ろはねに赤色の弦月紋があります。
・クロアゲハ:体は黒く、紺色の光沢があり、後ろはねの縁に空と赤の環班があります。
・アオスジアゲハ:前はねから後ろはねを通して青い縦縞があり、食草はニッケイ、タブノキなど。
・キアゲハ:はねの地が黄色で、縁に黒色の条や紋。幼虫の食草はニンジン、ミツバなど。
・ナミアゲハ:キアゲハに似て、地は浅黄で斑紋の色も地味。

  

モンキアゲハ   カラスアゲハ   アオスジアゲハ
モンキアゲハカラスアゲハアオスジアゲハ

キアゲハ   ナミアゲハ
キアゲハナミアゲハ


(2)モンシロチョウの仲間

  
中形で白または黄色の地色をしたチョウ。足のつめが2つに分かれています。

  
・キチョウ:地が黄色で、前はねの前縁が黒く、食草はカワラケツメイ、メドハギなどのマメ科です。

  
キチョウの写真

 キチョウ


(3)タテハチョウの仲間

  
・オオムラサキ:日本の国蝶。エノキの葉を食草としているため、伐採によるエノキの減少にともない数を減らしています。そのため各地でエノキや樹液を吸うためのクヌギの植栽といった保護運動が行われています。

  
オオムラサキの画像

 オオムラサキ


(4)シジミチョウの仲間

  
小形で触角に白黒のまだら模様があります。幼虫は扁平のだ円形をしています。

  
・アイノミドリシジミ:ブナ、ミズナラ林を代表するミドリシジミの仲間。森の宝石にたとえられる美しいはねを持つチョウです。
・ウラクロシジミ:マンサクを食樹とするチョウ。5月ごろ、丸い穴をあけた若葉の近くを捜すと、緑色の愛らしいワラジ型の幼虫を見つけることもできます。
・メスアカミドリシジミ:6〜7月ごろ、こずえの先で日光浴をしているメスアカミドリシジミは、ほかの個体が近づくと追い払い、またもとの位置にとまります。これはなわばりを守るためで、雌との出会いを獲得しようとする意味があると考えられます。

  
ベニシジミの画像
ベニシジミ


(5)セセリチョウの仲間

  
小形で触角は紡鐘状に曲がり、蛾と同じく食草で繭をつくります。

・イチモンジセセリ:黒褐色で後ろはねに4つの白紋がほぼ一列に並んでいます。イネ科の植物を食草にしています。
・ダイミョウセセリ:前はねが黒褐色で大小いくつかの白紋があります。食草はカタバミです。
    
イチモンジセセリ   ダイミョウセセリ
イチモンジセセリダイミョウセセリ

船通山のトンボ

船通山の山頂には、無数と言っていいほどの赤トンボの大群が見られます。赤トンボの仲間は島根県内に20種類いますが、この大群はほとんどアキアカネという種類です。赤トンボというのに、お腹は赤くなく黄色っぽいことに気づきます。このトンボは羽化して成熟するまで数ヶ月間を遠く離れた土地で過ごし、成熟した秋に再び羽化した場所に帰るという習性があります。6月にふもとの水田で羽化を始めたアキアカネは山頂で夏を過ごし、腹部が赤くなる10月ごろ山を下るのです。

・アカトンボ:アカトンボというのは、トンボの種類の名前ではなく、赤いトンボの仲間の総称です。県内では、アキアカネ、ナツアカネ、マユタテアカネなど、十数種が知られています。 
  

船通山のオサムシ

甲虫の仲間。飛ぶことができず、地上をはい回ってミミズやカタツムリなどを食べて生活をしています。オサムシの仲間は飛べないため、行動範囲が限られ、昔の生息分布がそのまま残されています。近年になり、その分布が注目され、各地で研究が進められています。


・クロナガオサムシ:甲虫の一種であるオサムシの仲間。船通山を含む道後山山塊は、クロナガオサムシの生息する本州西限にあたります。やや湿潤な環境を好み、ブナ林が最適な住みかのようで他では見ることができません。 

・マイマイカブリ:オサムシという甲虫の一種。ほかのオサムシの仲間と比べて頭の部分が細長いのが特徴です。マイマイとはカタツムリのことで、この虫はカタツムリを主食にしていることからこの名が付けられました。細長い頭をカタツムリの殻の中まで差し込んで中身をすっかり食べてしまうのです。

船通山のセミ

・エゾゼミ:晴れた日中、ジーと低い音でさかんに鳴いているのがエゾゼミです。北方系のセミで平地には少なく、山地に多く見られる種類です。
・ヒグラシ:朝や夕方の涼しい時に、カナカナカナとかん高い声で鳴くのがヒグラシです。日照に敏感で、日中には鳴き声を聞くことはできません。

船通山のカミキリムシ

コナラやクリの倒木にはウスイロトラカミキリ、カタシロゴマクカミキリ、ナカジロサビカミキリなどが、ネムの枯れ枝にはアオスジカミキリ、ヨモギにはヘリグロリンゴカミキリ、カラムシには美しいラミーカミキリなど多種類のカミキリムシを普通に見つけることができます。また、全国的にも珍しいトラフホソバネカミキリもアカメガシワの枯れ枝から発見されています。カミキリムシの仲間は、枯れ枝によく集まりますが、これは産卵のためとも、羽化脱出してくる新成虫と交尾するためとも言われています。カミキリムシの仲間は生態、形態とも興味深いものが多く、今後の調査が期待されるグループです。


・ヒメハナカミキリ:カミキリムシの仲間で、5〜6月ころ、カエデ類、サワフタギ類、ウツギ類、アジサイ類などに集まります。なかでも白っぽくて小さな花をたくさんつける種類を好むようで、木漏れ日の差すような場所でよく見られます。これは羽化後、成熟するため花粉を食べるからだと言われています。体長はいずれも数mm前後と小さく、よく似た種類がたくさんいます。

川の中の昆虫たち

谷川の石を拾い上げてみると、カメ型のものがくっついています。また、水の中に沈んでいる葉や枝にミノムシのようなものがありますが、こえはトビケラという幼虫の巣です。ほかにもカゲロウ、ドロムシ、トンボ(ヤゴ)、などが見つかるでしょう。また、生きた化石と言われるムカシトンボのヤゴを見ることができるかも知れません。


  

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