カンナ流しとタタラ

   
 中国山地の花こう岩は、含まれる鉱物粒子の結束力が弱まる「マサ化」が進んでいます。そのうえ、山陰地方の花こう岩には磁鉄鉱の含有率が高いため、奈良時代から磁鉄鉱の採掘が行われていました。その採掘方法はカンナ流し(鉄穴流)と呼ばれる方法です。
  
 まず、山の斜面に水路をつくり、そこにマサ化した花こう岩を流します。比重の小さい鉱物は流されますが、磁鉄鉱などの比重の大きい鉱物は水路の途中の池に沈殿します。花こう岩に1%以下しか含まれない磁鉄鉱をこのようにして集め、磁鉄鉱の含有率を80〜90%までにあげるのです。明治時代までは、採掘した磁鉄鉱を「たたら炉」で精錬し、鉄をつくっていました。
   
 カンナ流しを行うと、多量の砂が川に流されるので、下流地域の川床が高くなり洪水の恐れがでたり、宍道湖が埋め立てられたりしました。八重滝周辺の民谷川の礫に混じって、ときどき黒色をしたこぶ状の丸い礫が見られます。割ると小さな丸い空洞がたくさんあいています。これはたたら炉で磁鉄鉱を精錬した残りかすです。
  

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