ラムサール条約湿地宍道湖・中海へようこそ
[ガガブタ、宍道湖、中海、ナゴヤサナエ]
湿地の概要
中国地方は日本列島最大の島である本州の大阪から西に広がる広大な地域で、東西に延びる中国山地によって、山陰地方と山陽地方に分かたれています。山陽地方の気候は比較的温暖ですが、山陰地方の気候は冷涼で、冬にはかなりの降雪が見られます。
宍道湖と中海は、山陰地方の中央に所在する島根県と鳥取県の県境に位置する汽水湖で、中国山地に源流を持つ斐伊川の河口部に位置し、全長7kmの大橋川によって結ばれています。上流部に位置する宍道湖は、約8,000haで日本第7位の面積を有し、水深は平均4.5m、塩分濃度は海水の約1/10となっています。一方、下流部に位置する中海は、約9,200haで日本第5位の面積を有し、水深は平均5.4m、塩分濃度は海水の約1/2となっています。
両湖は同じ水系に属する汽水湖ですが、それぞれ特色があり、多様な自然環境を有しています。
豊富な汽水性の生きものたち
宍道湖には、宍道湖で発見されたシンジコハゼやヤマトシジミなど多様な汽水性種が生息しており、およそ80種類が確認されています。なかでもヤマトシジミは年間約7,000トンと、日本全体の約40%で日本一の漁獲量を誇っています。宍道湖は、また、我が国有数の水鳥の渡来地でもあり、240種以上の鳥類が記録されています。特に、ガン・カモ類は毎年40,000羽を超える渡来があり、なかでもキンクロハジロが20,000羽以上、スズガモが5,000羽以上確認されています。また、マガン、キンクロハジロ、スズガモについては、全世界の水鳥の1種の個体数の1%以上を定期的に支えています。
次に、中海には、260種以上の鳥類が確認されており、ガン・カモ類は年平均約75,000羽以上が渡来する国内最大級の越冬地となっています。特に、コハクチョウ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモは、全世界の水鳥の1種の個体数の1%以上を定期的に支え、コハクチョウの集団越冬地としては我が国の南限となっています。
[キンクロハジロ、スズガモ、マガン、コハクチョウ、ホシハジロ]
干拓・淡水化事業の中止を経てラムサール条約登録へ
宍道湖・中海では、1963年以降、新たな農地を確保するために干拓・淡水化事業が始まりました。しかし、国の減反政策や市民運動もあって、2000年には干拓事業が、2002年には淡水化事業が中止となり、2005年11月8日(COP9)、両湖はラムサール条約に登録されるに至りました。
宍道湖・中海のワイズユース(賢明な利用)
ラムサール条約では、湿地を保全するだけではなく、湿地の恵みをうまく利用していこうと考えています。そういった考え方を、条約ではワイズユース(賢明な利用)と表現しています。宍道湖・中海では、すでに様々なワイズユース(賢明な利用)の取組が行われています。
特に、宍道湖のシジミ漁はその代表例です。宍道湖では昔から漁師の方々が話し合って、シジミの漁獲量(1日当たり150kg)や操業時間(1週間当たり4日間、1日当たり4時間)を決めて、漁獲し過ぎないようにしてきました。また、鋤簾(じょれん)という道具を使用することによって、網目からこぼれ落ちるような小さなシジミを漁獲しないようにしています。漁師の方々は、宍道湖の恵みをこれからも皆さんに食べてもらえるよう工夫しています。
また、宍道湖の多様な魚介類は、名産珍味の宍道湖七珍(スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミ)で知られています。
さらに、宍道湖の東端に浮かぶ嫁ヶ島を背景に沈む夕景は、絶好の景観地となっています。周囲わずか240mの小さな平板な島ですが、四季折々、この夕日を見に多くの観光客が訪れます。
[スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ、シラウオ、コイ、シジミ、宍道湖七珍料理]
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お問い合わせ先
環境政策課宍道湖・中海対策推進室
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地 TEL:0852-22-6445