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センチピードグラスによる水田畦畔・法面の省力管理技術

 

作物部作物グループ松崎友史

 

 島根県では、水田の畦畔面積率(畦畔面積/耕地面積)が高く、水稲作業別労働時間の中で、畦畔の草刈りに要する時間が特に大きくなっています。近年、草刈りの省力化を目的に、シバザクラ等の被覆性植物の植栽による雑草抑制が行われていますが、定植後の生育が遅く、既存雑草に負けてしまう場合が多くあります。その中で、センチピードグラスは、繁殖力が強く、管理の手間もかからない、適応性の高い草種です。
センチピードグラスは、新規法面では直播も可能ですが、既存法面では、競合する雑草が多くなるため、セル成型苗移植やマット苗張付で植栽します。今回は、県内の圃場整備の現状を考慮して、既存法面でのセル成型苗移植及びマット苗張付による植栽の効果的な方法を検討しましたので紹介します。

○試験結果
1セル成型苗移植
移植後の雑草を抑制し、初期生育を良好にするマルチ資材として、WS-1012(遮光資材)を選定しました(図1、2)。また、環境負荷軽減を目的として3種類の生分解性マルチ資材(ユニグリーン、コーンポールマルチS及びL)を検討した結果、いずれも雑草の抑制効果が高く、無マルチ移植と比べて、センチピードグラスの生育が良好になりました。
育苗用土については、1.0g/箱程度緩効性窒素肥料を施用すると、苗の生育が良好になりました。

図1WS-1012を利用したセル成型苗移植(図は略AcrobatDataを参照)
図2センチピードグラスのセル成型苗移植における被度と雑草発生量(図は略AcrobatDataを参照)

2マット苗張付
張付密度は、50%以上の張付割合で、セル成型苗移植(16株/m2)より早期に被覆し、雑草抑制の効果も高くなりました。実際には、育苗用土の経費の面から50%が適当であると考えました。

○今後に向けて
今回、セル成型苗移植においてマルチ資材の利用により、センチピードグラスの初期生育が良好となり、また、雑草抑制の効果がありました。実際の水田畦畔は、凹凸があるため、マルチを斜面に密着することが難しく、強風によりはぐれてしまうことがしばしばあります。そこで、マルチを張る時は、土をならして斜面の凹凸を極力なくしたり、留め具を付けたり、バインダー紐等を格子状に張り巡らす等の工夫が必要となります。
マット苗張付は、育苗用土の経費がかかるものの、初期の被度、雑草抑制効果の面で、セル成型苗移植を上回るので、早期の造成を図るには有効な手段と言えます。
また、既存法面では、直播が難しく、苗移植等を行いますが、実際には手間がかなりかかります。そこで、より簡単で低コストな方法の開発が望まれます。

 [島根県農業技術センターだより第2号2005年11月]


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