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島根型養液栽培システムにおけるアムスメロンの培養液管理

 

島根型養液栽培システムでは、メロン、トマト、イチゴ栽培で本システムが導入されています。

本システムを用いた半促成アムスメロンの栽培は、大塚A処方による管理を基本としています。しかし、草勢が強くなる、うるみ果が発生する、着果が安定しない、などの問題が起きています。そこで、硝酸態窒素の成分量を約半分にしたメロン専用処方(以下、メロン処方)による管理を行い、その有効性について検討しました。

メロン専用処方と大塚A処方との違い
メロン専用処方の硝酸態窒素成分は大塚A処方の約半分になっています。また、大塚A処方の場合、2種類の購入肥料を利用しますが、メロン処方の場合は4種類以上の単肥を調合するので、調整に若干手間がかかります。なお、コスト面での大きな差はありません。

生育及び果実品種の違い
‘アムス’及び‘FRアムス’を用いて栽培試験を行いました。両処方による生育速度の差はなく、ほぼ同時に開花、収穫を迎えました。生育全般を通じて、メロン処方を用いた場合、大塚A処方と比較して、草勢は弱くなりました。果実品質については、1果重、糖度では両品種ともに処方間による大きな差は認められませんでした。ネット評価はアムスでは差がなく、FRアムスではメロン専用処方で高くなりました。また、両品種ともにメロン処方を用いた場合、うるみ果の発生は認められませんでした。

培地内及び廃液中のEC変化
培地内及び排液中のECは、メロン処方では定植後50日あたりから、大塚A処方では定植後60日あたりから、給液ECを上回って推移しました。環境負荷、コストの面から給液ECの制限が必要であると考えられます。

以上のことから、半促成アムスメロンの栽培にはメロン処方が有効であることが示されました。給液ECと給液時間についてはさらなる検討が必要であると考えられます。

園芸部開発営農グループ大畑和也

 [島根県農業試験場だより第108号2005年3月]


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