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秋ギクの切り花品質向上のためのかん水法

 

野菜等で行われている養液土耕栽培では、根圏が養液の滴下位置を中心に発達するため、養水分のコントロールによる生育の制御が容易となります。また、施肥量を軽減できるため、環境にやさしい栽培法であるといえます。そこで、秋ギクの切り花品質を向上させるために、養液土耕栽培における水分供給方法について検討しました。

かん水法の違いと品質
秋ギクの主力品種である‘神馬’‘精興の誠’‘秀芳の力’を用いて、従来の散水パイプによるかん水栽培(慣行)と比較しました。その結果、養液土耕栽培では生育期間全般を通して、養水分を適正に供給できることから、草姿のバランスが向上しました。また、立葉性の‘神馬’では差が見られませんでしたが、立葉になりにくい‘精興の誠’‘秀芳の力’では、秀品率が慣行栽培に比べ高くなりました。

かん水量の増減による品質の向上
生育期間を通してかん水量を増減したところ、‘精興の誠’の発根苗定植栽培では、かん水量を標準または増加させることで茎が肥大化し、切り花品質が低下しました。しかし、直挿し栽培では標準のかん水量でも茎は肥大化せず、かん水量を少なくすると草丈の確保が難しくなり、秀品率が大きく低下しました。‘神馬’では、かん水量の増減による秀品率の低下は認められませんでした。このことから‘精興の誠’はかん水量の影響を受けやすく、‘神馬’はかん水量の影響を受けにくい特性があると思われます。

普及上の留意点
この試験は、砂壌土での結果であり、粘質土でのかん水法については、再度検討する必要があります。

園芸部野菜花きグループ小早川洋美

 [島根県農業試験場だより第106号2004年7月]


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