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増殖と栽培の容易なササユリの育成

 

西日本各地に自生しているササユリは、その可憐な姿と強い香りで多くの人に知られています。島根県内でも各地の自生地で初夏にはその姿を見ることができますが、次第にその自生地は減少しつつあります。また、季節感のある特産品として切り花や鉢花への利用が期待されていますが、栽培が難しく増殖に時間がかかることから、ほとんど利用されていないのが現状です。

島根県などの日本海側に自生するササユリは葉の幅が広く、がっちりした茎で草丈が高くなりますが、球根が大きくならなければ開花しないため、球根養成期間が長くなります。これに対して、太平洋側のササユリは葉の幅か狭く、葉数が多く、小さな球根で開花します。そこで、島根県吉田村産のササユリと奈良県十津川村産のササユリを交配してその中から組織培養で増殖しやすく、球根肥大が良く、定植後に早期に開花するものを選抜し、花の色、姿の良いものを3系統選びました。
これらは、鱗片切片を培養して得られた小球を約1年間培養した後、定植して1年の球根養成期間の後開花させることができます。花は、ほぼ白色のもの(YT0301)、淡桃色(YT0302)、ごくうすい淡桃色(YT0304)の3種類です。

今後、さらに詳しい特性調査を行い、ササユリの自生地が残っている中山間地域を中心に特産品としての利用を進めていきたいと考えています。

作物部生物資源グループ春木和久

 [島根県農業試験場だより第106号2004年7月]


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