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露地野菜収穫残渣のすき込みによる施肥量削減

 

キャベツ等の露地野菜栽培では、収穫時に発生する多量の残渣のほとんどがそのまますき込まれています。しかし、収穫残渣をそのまますき込むと、分解に伴って後作物に窒素飢餓を生じる恐れがあります。また、残渣に含まれる養分量を考慮した施肥が必要となります。そこで、残渣の種類及びすき込み方法が後作物の生育・収量に及ぼす影響について調査しました。

収穫残渣の分解促進
残渣のすき込みによる窒素飢餓を回避するためには、残渣を速やかに分解させることが重要です。ブロッコリーの収穫残渣を天日乾燥させてからすき込むと分解が促進され、後作キャベツが増収しました。同様に生残渣のすき込みに併せて石灰窒素を施用しても収量は増加しました。

残渣のすき込みと後作における施肥量
過剰な窒素の施用は、作物の品質や環境に悪影響を及ぼす恐れがあります。したがって、有機物を施用するときは施肥量を減らす必要があります。天日乾燥したキャベツ残渣をすき込み、施肥量を変えて後作キャベツを栽培すると、基肥窒素量(14kg/10a)を20%まで減らしても収量は低下しませんでした。

すき込む残渣の種類と後作物の収量
野菜の残渣は、種類によって有効化する窒素量が異なります。インゲンやキャベツの残渣は、柔らかく分解しやすいため、それをすき込むことにより後作キャベツの収量は20%以上増加しました。一方、トウモロコシやヒマワリの残渣は茎が太くて硬いため分解しにくく、増収効果は小さいと考えられました。

これらの試験結果を基に、収穫残渣のすき込みに伴って必要と考えられる後作作物の基肥削減量を表1に示しました。追肥量は生育に応じて調節する必要があります。また、残渣のすき込みは約2週間天日乾燥した後に行うか、生のまますき込む場合には、20kg/10aの石灰窒素を散布し、残渣に付着させます。

環境部土壌環境科安部聖

 [島根県農業試験場だより第105号2004年3月]


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