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加温栽培‘デラウェア’の棚上・棚下カーテンによる燃料節減効果

 

島根県のブドウ栽培面積は約400haであり、そのうちの65%で加温栽培が行われています。本県の中心的な作型である早期加温栽培の生産費に占める燃料費の割合は35%と極めて高くなっています。近年ブドウ価格低迷の中、収益増加を図るためには反収の向上、コスト低減のための加温燃料削減などの省エネ対策が必要となってきています。
そこで、ハウス内の加温容積を狭めることにより加温燃料を削減できないかを、一般的な棚上カーテン(内張)に加え棚下にもカーテンを設置することで検討しました。

早期加温栽培‘デラウェア’園をビニルで間仕切りし、棚上・棚下カーテン設置区と対照区(棚上カーテンのみ)を設けました(図1)(図は省略)。棚下カーテンは夕方16時頃から翌朝の8時30分頃まで閉め(図2)(図は省略)、日中は作業性を考えて開放しました。

その結果、ハウス内温度は両区ともほぼ同等で推移しました。また、生育時期も大差なく、新梢伸長、収量、果実品質は両区に差が認められませんでした。調査期間中の加温燃料のLPガス使用量は、棚上・棚下カーテン区が829m3/5aで、対照区より約40%少なくなりました(図3)(図は省略)。

以上のことから、棚下カーテンの設置は燃料節減に大きな効果が認められました。今後の課題としては、支柱に沿ってワイヤーやカーテンを設置したことにより栽培管理作業の邪魔になったため、作業性を考慮した棚下カーテンの設置方法の検討、および経済性の評価を行う必要があると考えられます。
また、この結果により燃料消費量を削減できたことは、環境への負荷軽減にもつながる有効的な技術と考えられます。

園芸部果樹科大野泰司・山本孝司

 [島根県農業試験場だより第104号2003年11月]


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