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ロゼット化しにくいトルコギキョウを利用した秋出し栽培

 

トルコギキョウは、育苗期間が高温になると生育を停止する性質(ロゼット化)があるため、平坦部の秋出し栽培では苗の低温処理や冷房育苗などが必要でした。そこで、市販品種の中からロゼットしにくい品種を選定し、種子低温処理とジベレリン処理、短日処理を組み合わせることで既存の方法に代わる新しい栽培方法を開発しましたので紹介します。
ロゼットしにくい品種アリスパープル’‘あすかの萌黄’など早生〜中生のF1品種を中心に約20品種を認めています(農業試験場だより102号3ページ参照)。
抽だい率向上のための種子低温処理は、切り花の予冷庫等を利用し、セルトレイに播種、かん水した後、5〜10度Cの30日間暗黒処理します。その際、育苗土が乾燥しないように留意し、また出庫後育苗期間中は寒冷紗等での遮光や通風を良くし、できるだけ温度を下げます。
ジベレリン処理は定植直後に50〜100ppmを1回茎葉散布します。これにより短日処理中のロゼット化が回避できるとともに、花らいの充実が期待できます。
短日処理は、花らい数や切り花重を増加させるために、定植後10日目から2〜3週間行います(表1)。なお、4週間処理は切り花品質は向上しますが、一部の品種では開花期が遅延し、日照不足による花芽の枯死等が発生する恐れがあるので注意が必要です。
これら3処理を組み合わせることで、図1(AcrobatData参照)上段のような作型が可能となり、既存の冷房育苗作型(図1下段)に対して同程度の開花期と切り花品質が確保できます(表1AcrobatData参照)。この栽培方法を活用することによって、平坦地では半促成栽培とあわせてトルコギキョウの年2作栽培が十分可能になり、施設の有効利用や出荷期間の拡大が期待できます。

園芸部野菜花き科金森健一

 [島根県農業試験場だより第103号2003年07月]


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