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組織連携の強化による新技術の早期定着化

 

4月に着任し、様々な年度始めの行事がやっと落ち着き、3ケ月が過ぎました。その間感じたことを2〜3述べて関係のみなさんのご支援とご協力をお願いします。まず、普及事業と試験研究との連携強化についてです。
いうまでもなく、普及事業と試験研究は、個別の農家や地域で解決が困難な生産方法や技術、新資材を開発し、普及活動を通じて農業者等に移転されることが基本であり、両者には双方向の関係が必要で連携なくして職務は果たせないという基本的な認識を新たにすべきです。
技術研究開発の初期段階から連携を強化し、現場ニーズに沿った技術開発を行い、早期に普及定着させることが基本であると考えております。
2つ目に、試験研究テーマの設定についてです。BSEの発生以来、試験研究においても従来の高品質安定生産技術の研究開発に加え食の安全や健康、農業・農村の環境問題までを視野に入れた業務が求められ、社会情勢の変化のスピード化とも相俟って、課題や目標が多様化してきています。
行政や社会の要請と、組織としての課題設定、あるいは研究員個人の目標が異なっている場合もあります。大学や国の試験研究機関が独法化され、従来の研究論文の発表だけでは耐えられなくなったともいわれています。
行政、普及や試験研究組織が情報や目的を共有し、重要性や緊急度を勘案しながら現場での実践実行がともなう課題解決に取り組む必要があります。現在、農試の研究領域は「主要農産物の栽培」ですが、今後は循環型社会や生活者の健康志向に呼応し農業関連産業の課題にも挑戦し、農業を基軸とした地域社会の活性化に貢献することも緊要であると考えております。
3つ目に、企画調整部門の機能強化です。先般、平成14年度試験研究の進行状況や成果についての協議を終えました。また、場内の各階廊下には各種の成果パネルが掲示してあり、現場に提供できる新しい技術(シーズ)が蓄積されていると感じています。
今後とも産地間競争は激化するものと思われ、また、地方機関の独法化を想定すれば特許など知的財産の管理、産学連携、プロジェクト研究やシーズとニーズの調整など企画調整機能の強化が必要であると考えております。
いずれにしても、国における普及事業の見直しや地方独立行政法人法案の審議、補助金による試験から競争資金制度への移行、県における新行政システム再編計画に基づく普及組織や試験研究機関の再編整備、外部評価制度の導入など取り巻く環境は大きく変化し、さらに県内の農業生産活動も、デフレ経済の影響もあって低迷しています。
それ故に、農業者や関係機関から試験研究に対するニーズは、多様化・専門化し、責務も重大となっております。これに応えるためには関係機関との連携強化をはじめ職員個々の意識改革のもと効率的な課題解決と新技術の早期定着に努めることが与えられた責務と考えております。
今後とも−層のご理解とご協力をお願い申し上げます。

場長山下傳

 [島根県農業試験場だより第103号2003年07月]


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