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カキ‘西条’の摘蕾・摘果方法改善

 

 カキの摘蕾・摘果は、大玉高糖度果実生産のための必須作業です。着果数は、摘蕾で目標数の2倍程度残し、摘果で最終調整するのが一般的です。しかし、摘蕾の不徹底、仕上げ摘果の遅れや摘果不足による着果過多から、果実肥大不良や糖度不足になっている園が多くみられます。近年、M級以下の出荷停止や糖度検査が行われるようになり、そのような園では収益が減少することから、作業能率向上を目的とした摘蕾・摘果方法の改善について検討しました。
 

  1. 摘蕾・摘果の方法
    1. 強摘蕾弱摘果(以下強摘蕾):摘蕾時に母枝10cm当たり1蕾に制限し摘果は見直し程度
    2. 普通摘蕾強摘果(従来法):結果枝長20cm以上2蕾、10〜20cm1蕾、10cm未満0蕾に摘蕾し、摘果時に葉果比15程度に制限
    3. 普通摘蕾弱摘果:摘蕾は(2)と同じで、摘果は見直し程度(着果過多条件)
    4. 弱摘蕾強摘果(以下弱摘蕾):新梢長20cm以上3蕾、10〜20cm2蕾、10cm未満1蕾に摘蕾し、摘果時に葉果比15程度に制限
  2. 摘蕾・摘果法改善と果実品質

    摘蕾時に目標着果数近くまで制限する強摘蕾は、摘蕾後の生理落果により目標着果数が確保できない年があり、収量がやや劣ったものの、果実肥大、糖度は最も優れました。従来法の普通摘蕾強摘果は、総合的に優れました。これに対し、仕上げ摘果不足の普通摘蕾弱摘果は果実肥大及び糖度が、摘蕾不足の弱摘蕾は果実肥大が劣りました。
  3. 摘蕾・摘果法改善と作業効率

    強摘蕾は、1分当たりの摘蕾・摘果数が約18果、10a当たり作業時間が約48時間で最も効率が優れました。普通摘蕾強摘果は、摘蕾・摘果数及び作業時間がそれぞれ15果、57時間で強摘蕾より明らかに劣りました。弱摘蕾は作業効率が最も劣りました。

 以上のように、従来通りの方法は収量、品質ともに安定しており、労力に余裕のある場合は最適な方法であると思われました。一方、強摘蕾法は収量の変動があるものの、果実品質及び作業性に優れることから、労力に余裕がなく、摘果が遅れがちな園に適した方法であると思われました。

園芸部開発営農科持田圭介

 [島根県農業試験場だより第102号2003年03月]


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