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ナタネ油粕と活性炭スラリーを組み合わせた水田雑草防除

 

持続的農業生産方式による農業の推進と有機農産物等の生産支援のため、稲作においても化学合成除草剤の使用を控えた多様な生産技術の開発が強く求められています。そこで既存の再生紙マルチ、アイガモ、コイ利用などと異なる環境にやさしい水田雑草防除技術について検討しました。

ナタネ油粕には土壌還元化等による雑草発生抑制効果があり、活性炭スラリーにも田面水を不透明化し遮光することで雑草発生を抑制する効果がありますが、いずれも単独では十分な効果が得られません。ナタネ油粕200kg/10aを移植後3日に水田表面へ湛水散布する処理と、活性炭スラリーを移植後5日に20kg/10a、移植後12日に10kg/10aを、それぞれ水道水で20倍に希釈し噴霧散布する処理を組み合わせた場合は、抑草効果が高く、慣行の化学合成除草剤処理とほぼ同等の効果が得られます。

ナタネ油粕には肥料としての効果もあるため活性炭スラリーとの組み合わせ処理では、慣行区に準じて施肥すると、水稲の出穂期が4〜5日遅くなり、稈は長く倒伏程度が大きくなって、品質が低下する傾向があります。そこで、ナタネ油粕と活性炭スラリーを組み合わせ処理を行う場合、基肥窒素を無施用とすることにより、稈長の伸長を抑制し倒伏を軽減することができ、収量はやや低下しますが、品質が向上します。なお、このナタネ油粕と活性炭スラリーの組み合わせ処理は10アール当たり資材費が25,000円程度、散布に伴う労働時間が約3時間がかかります。注意点として、水深が浅いと抑草効果が劣るので湛水深は7〜10cmとし、こまめに入水します。また、漏水が激しい圃場では抑草効果が劣ります。ナタネ油粕の散布後分解に伴う異臭が発生し、還元障害による水稲の生育抑制が起こる場合があります。移植後40日以降に、ノビエの発生する場合があります。

作物部作物科高橋眞二

 [島根県農業試験場だより第102号2003年03月]


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