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島根県農業試験場研究報告第22号(1987年3月)p82-91

 


セジロウンカの発生推移と被害


野田博明


摘要

 セジロウンカの基本的な発生生態を究明し、イネの穂への集中加害による減収ならびに米の品質低下への関与を明らかにした。

 

  • 島根県における本種の主な飛来は、6月下旬から7月下旬にあり、特に7月下旬に多かった。9月にも水田内への成虫の飛来があった。

 

  • 飛来成虫は遅く植えたイネに多く寄生し、さらにそこでは第1世代幼虫も多くなった。遅く植えたものは、草丈が小さいこともあり、吸汁害が著しかった。

 

  • 水田内では、飛来成虫と第1世代幼虫、成虫の数は多かったが、第2世代になると数が少なくなった。本種は、島根県の水田内では1世代経過するだけのものが多いと思われた。

 

  • 密度調査法として、粘着板上への払い落し法を採用し、払い落し効率を求めた。飛来後第1世代幼虫を対象にした調査では、およそ5割弱の効率であった。

 

  • 本種の発生推移推定の基礎となる、各ステージ別発育限界温度と有効積算温度を求めた。

 

  • 褐変穂の原因を追求し、セジロウンカの飛来後第1世代幼虫が、出穂中の穂を吸汁加害することにより発生すること、そして吸汁により不稔、登熟不良になることを明らかにした。

 

  • 褐変穂から黒点症状米が出現することを発見し、被害米の形状観察、放飼再現試験なとから、セジロウンカの加害が黒点症状米の発生を助長することを明らかにした。
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