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島根県農業試験場研究報告第22号(1987年3月)p12−36

 


水田におけるハトムギの栽培法


安原宏宣、常松定信


摘要

 水田におけるハトムギの栽培法を確立する目的で、1979年から7年間にわたり、島根県農業試験場の水田において、耕種要因別に体系的な試験を実施した。

 

1.品種では、直播および移植栽培においてリオグランデ、マルチ直播栽培において岡山在来が適切であった。

 

2.直播栽培に関して、以下の結果が得られた。

 

  • 当地域での播種適期は4月下旬、晩限は5月下旬であった。

 

  • 栽植密度については条間75cm、株間12cm、1株2本立を基準に、作業性を考慮して決定すれば良いと考えられた。

 

  • 施肥について、a当り窒素成分2kgを基肥0.8kg、出穂初期0.5kg、開花期0.7kg程度に分施する方法が適切であったが、さらに施肥量の高い水準での検討が必要である。

 

  • 水管理では生育の初−中期にPF値1−1.5を保つ程度に灌水することが望ましかった。

 

  • 除草剤の使用について、アトラジン水水和剤の播種後−出芽期、a当り成分量7g土壌処理が適用可能であり、クロメトキシニル粒剤a当り成分量21gなどの3葉期入水後体系処理でさらに除草効果が高まった。

 

3.マルチ直播栽培に関して作期、栽培密度および施肥は通常の直播と同様で良かった。また黒ポリフィルムマルチによって生育が促進され収量が向上した。

 

4.移植栽培に関して、以下の結果が得られた。

 

  • 育苗では播種密度の低いほと良い苗が得られ、出芽の際に育苗器を使用すると苗質が悪化した。

 

  • 当地域での移植適期は5月中旬であった。

 

  • 栽植密度および施肥については直播栽培と同様に考えることができた。

 

5.草丈の短縮には、条間を75cm程度に広くとることと、出穂始期以後の施肥量を増やし、基肥を減らすことが有効であった。また、摘心を行う場合は、出穂期前でできるだけ遅く、摘心長もできるだけ短くすることが望ましかった。

 

6.出穂期から登熟前半にかけての気温が高いほど多収となった。また、適切な耕種要因の組合せによればa当り穀実重50kg以上の収量を得ることは容易と考えられた。


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