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島根県農業試験場研究報告第16号(1980年5月)p80ー96

 


 

電気刺激による自然上蔟法の改善


安川智登、西村恒一、松本定雄


摘要

 上蔟作業は養蚕の総仕上げ、熟蚕の収集が作業の中心となる。自然上蔟法は家蚕幼虫が熟蚕になった際に発現する垂直移動を利用したもので合理的な方法である。しかし熟蚕の行動は上蔟時の環境要因や蚕座の状態などによって左右され、登蔟率にひらきがでて安定性を欠いている。そこで筆者らは熟蚕における負の走電性を確認し、これを応用して現在の自然上蔟法を安定技術に改善するための試験を実施した。

 1.通電上蔟に用いる電極素材を検討した結果、厚さ17μのアルミニューム箔を3cm幅に切って供試したものが蚕座によく密着し、アルミは電気伝導率が銅より低いが安価で使い捨てできるためよかった。

 2.蚕座への散布水溶液につき試験した結果、登蔟促進液の効果よりも通電効果が優先したためか大差なく、実用的には蚕座が濡れる程度の散水で十分と思われた。

 3.蚕座周囲への這い出し蚕の防止にはタバコ抽出液が10時間以上の忌避持続効果があった。

 4.通電上蔟に最適の電気条件はまだ十分把握していないが、現在までの結果にもとづき24V直流で200mA以上の電流が流れると瞬時に切れる安全な電源器具を試作開発した。

 5.通電上蔟の方法としては上蔟の2〜3回給桑前に蚕座上に蚕座枠に沿って、その内側約5cmのところに電極を設置し、その上に橋渡しの状態で給桑する。熟蚕の出現をみて、蚕座に散水した後、蔟器を設置して通電する。

 6.通電上蔟の効果はいずれの蚕期にも表われ、短い蔟設置時間で登蔟率が高まった。通電区の残蚕は未熟蚕と周囲への這い出し蚕であった。また通電のために虫繭質に異状はみられなかった。

 


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