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島根県農業試験場研究報告第13号(1975年12月)p80-92

島根県海岸砂丘地におけるデラウエアブドウの栄養診断に関する研究第2報

生育の特徴と葉内無機成分含量について

 


 


倉中将光、澤田真之輔、高橋國昭、竹下修、村上英行


摘要

 海岸砂地地帯のジベレリン処埋デラウエアブドウ園の生育の特徴を明らかにし栄養診断の基礎資料とするために、生長、収量、品質、貯蔵養分、葉内無機成分含量を調査した。調査園は浜田地区から28園選び1970年と1971年、出雲地区から27園選び1971年に調査した。

 

  • 土壌統別の生育については、大津統では種枝中の粗でんぷん含量が多く、結果枝の生長が旺盛で、収量も多かった。荒木統では特に後期の生長が少なく、収量も少なかった。西浜統はほぼ両者の中間であった。地区別の生育については、出雲地区では種枝中の粗でんぷん含量が多く、後期の生長が明らかに少なかった。また、糖度が低く、遊離酸含量が多かった。

 

  • 葉内無機成分含量については、カリウムと亜鉛は葉柄内含量が葉身内含量に比較して多く、窒素、マンガン、鉄では逆に少なかった。また窒素、カリウム、鉄、ホウ素は収穫期に比較し開花期の含量が多かった。窒素、カルシウムは標準含量よりも少ない園がかなりあり、マグネシウム、亜鉛、ホウ素は欠乏限界に近い含量の園もあった。土壌統別では、大津統はリンとカリウムが多く、地区別では浜田地区は出雲地区よりもカリウム、マンガン、亜鉛が多かった。

 

  • 果汁中の糖度が高く、遊離酸含量の少ない良園はその逆の園と比較して、種枝中の粗でんぷん含量は多く、開花期の生長は旺盛で、後期伸長率は小さかった。そして葉中のマンガンと亜鉛含量が多かった。収量の多い園は後期の伸長量及び伸長率が小さかった。

 

  • 生育相互の関係を検討した結果、好ましい生育相は、種枝中の貯蔵養分が多く、開花期の結果枝の生長が優れており、花穂が大きく、結実がよくて一定以上の収量が保たれ、しかも後期の枝の伸長が適度で停止するような生育であるといえる。
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