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島根県農業試験場研究報告第12号(1974年12月)p1-10

水稲新品種「しまねにしき」について

 


 


小村康治、神田正治、横井謙二郎、伊藤周三、北山茂、高海幸夫、重栖睦弘、新田英雄、名古洋二


摘要

 本品種は1963年当場において「山陰65号」(クサナギ)を母とし「近畿33号」を父として人工交配を行ない、その後代から育成された。1972年より「島系2号」の系統名で奨励品種決定本調査および県内の現地試験に供試し検討してきた。その結果好成績を示したので、'74年より本県の奨励品種に採用し、品種名を「しまねにしき」と命名した。

 この品種の特性および栽培適地は次のとおりである。

 

  • 出穂期は近畿33号、日本晴とほぼ同じであるが、成熟期はこれらの品種よりいくぶん早まり、本県では早生種に属する。中の短稈、中げつの中間型梗種で、草は山陰65号(クサナギ)に近く草伏・熟色良く、並穂で、短芒を有し、脱粒は難である。

 

  • 玄米は中形のやや大粒で、品質・食味ともよく、収量性は近畿33号と同程度で、良質品種としてはかなりの多収性をもっている。

 

  • いもち病耐病性、穂発芽性はともに近畿33号と同程度で十分ではなく、また白葉枯病その他の病害には中位の耐病性をもっている。イネカラバエにはやや強い。耐倒伏性は日本晴に近く、近畿33号よりは明らかに強い。

 

  • 本品種は主として平坦部から中山間部の地力中庸地ないしやや肥沃地の早植栽培および稚苗移植栽培に好適する。極端な多肥栽培や白葉枯病の常習多発地での栽培は避け、またいもち病の常発地では適期の薬剤防除を行なう必要がある。
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