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島根県農業試験場研究報告第6号(1963年11月)p19-24

 


果実吸蛾類に関する研究(1)
オオエグリバ幼虫の形態と生態


藤村俊彦


摘要

従来未知であったオオエグリバCalpegruesaDRAUDTの幼虫を飼育して次の結果を得た。

 

  • 若令幼虫は同属のものに比して区別は困難であるが、老熟幼虫は概形は同属の既知種と同様であるが色彩は黄褐−濃褐色を呈し、頭部と肛上板に顕著な黒斑を有し、腹部第1節下面の刺毛の配列が異なるなどの諸点で容易に区別される。

 

  • 蛹は食草の葉を2−3枚つづった粗繭の中で化蛹する。その形態も併せて記載した。

 

  • 食草はツヅラフジSinomeniumacutumREHD.etWILS.である。

 

  • 1年に2世代を経過し、第1世代幼虫は4月下旬−7月上旬、第2世代は7月中旬−11月上旬に出現し、越冬は卵態と考えられる。.第1回成虫は7月上旬−9月上旬に亙って出現し、第2回成虫は吸蛾として問題にならないものと考えられる。

 

  • 幼虫の棲息場所は深い山林で覆われた渓谷に生ずるツヅラフジで、その中でも特に陰湿な部分の低いところに多い。

 

  • 寄生性昆虫としてアオムシコマユバチApantelesglomeratusLINNEとブランコヤドリバエEutachinaTOWNSENDの2種があり、前者の寄生率がやや高い。その他病死虫もかなり認められた。
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