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2.トマト

(3)原因が明らかでないもの

 症状名:新葉、生長点付近及び花房に発生した奇形等の症状

作物・品種ミニトマト・ミニキャロル
作型夏秋
撮影年次・場所平成6年7月26日・六日市町
撮影者三木伸次
発生経過定植1カ月後位から、生長点とその周辺(腋芽も含む)の新葉に小型化、黄化、奇形が発生し、新葉は周縁部から褐変、壊死
 するものが見られた。また、そのような若い葉は、葉脈の縁を残してモザイク様に黄化していた。花房では、花房全体が矮
 小、奇形化し、一つーつの花も小型化し、褐変、壊死するもの、開花せず落下するもの、開花に至っても完全な開花ができずに
 着果しないものが多く、着果量は大幅に減少した。
 このような症状はハウスの中でも場所により発生程度に偏りが見られ、発生株は重度〜軽度まで含めて全体の5割くらいだっ
 た。また、症状の発生した株は健全株に比べ全般に根張りが劣っていた。
対応した内容及びその後の経過
当初、ホルモン剤・除草剤等の化学物質の影響、カルシウムまたはホウ素の欠乏、ウイルスによるモザイク病などを考え、施肥状況、管
 理状況等の聞き取りを行ったが、特に問題はなく、原因の特定はできなかった。
農試にウイルスの検定と土壌及び作物体の分析を依頼した。その結果としてはウイルスの可能性は考えられなかった。分析結果として
 は土壌についてはカルシウム濃度がやや高い他は異常が認められず、作物体では異常の発生部位である先端葉のカルシウム濃度が
 やや低いということだった。
対応としては、原因の特定はできなかったが、葉面散布効果のより高い硝酸カルシウム(カルプラス)の葉面散布を数回行いながら様子
 を見て管理した。
その後もしばらくの間は症状が進行したが、やがて全般的にはそれ以降に伸長した新しい部位では徐々に症状は軽くなった。しかし程度
 の重い株は最終的に症状の改善は見られず、芯止まり等になった。
症状1
症状2
資料:「野菜生育障害・病害虫現地診断の手引き」島根県農林水産部、1997年3月


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農業技術センター

島根県農業技術センター
〒693-0035 島根県出雲市芦渡町2440
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