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6.ハウス栽培技術

(11)土壌施肥・水分管理

  1. 土壌改良・施肥管理
    ハウス栽培では降雨による塩基類の流亡が少ないため,土壌pHがアルカリ性になりやすい。そのため,定期的な土壌診断を行い,pHが6.5を越えた場合には石灰質肥料の施用を控える必要がある。
    また,ハウス内は温度が高いなどの生育環境が好適となるため,新梢生育が旺盛となり,徒長しやすい。したがって,施肥量は露地栽培の70〜80%程度を目安とするが,樹勢や着果量に応じて増減する。特にハウス栽培では増収効果が期待できる反面,着果過多になりやすく,樹勢低下が著しいため,計画的な土壌改良を行って適正樹勢の維持に努める。弱樹勢樹では有機質肥料を中心に施肥量を増加する必要がある。

     

  2. 水分管理
    ハウス栽培では降雨などによる水分供給が不可能であるため,人為的なかん水が不可欠である。被覆直後は十分なかん水を行い,その後展葉期以降は10日間隔,梅雨明け以降は7〜10日間隔で行う。1回のかん水量は20〜30mm程度とする。テンシオメーターでのかん水時期の判断はpF値2.3〜2.5とする。
    開花期前後のかん水はハウス内湿度を高め,灰色かび病の発生が助長されるため,できる限り行わない。また,ハウス内の高湿度は灰色かび病だけでなく,汚損果発生の原因にもなるため,日没までに土壌表面の水分が蒸発するように,かん水は晴天日の午前中を中心に行い,遅くとも午後3時頃までには終えるようにする。
    汚損果は成熟期直前に発生することが多いので,かん水のやりすぎには注意する。立地条件や気象条件等でハウス内湿度が低下しにくい場合には,かん水後のマルチ処理が土壌蒸散の防止のために有効である。傾斜地のハウス栽培では明きょを設置することで,過剰な水分をハウス外へ流出させることができる。また,ハウス栽培では肥料分の溶脱が少なく,過度のかん水で遅伸びや2次伸長が促進し,着色不良や成熟遅延を招きやすいため,樹勢が強い場合のかん水量は少なめにする。収穫期以降のかん水も被覆除去までは10〜14日間隔で行う。

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島根県農業技術センター
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