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6.ハウス栽培技術

(8)抑制栽培

  1. 被覆及び温・湿度管理
    抑制栽培は,保温と補光を併用し果実と葉を健全に保つことにより,着色を遅延させ11月下旬〜12月上旬に成熟させる作型である。被覆は,発芽期を早める必要がないため4月以降とするが,果実が生育期間中比較的高温で推移させた方が着色が遅れるため,4月中には行う。生育期間中の温度管理は,基本的に促成栽培と同様であり,6月以降サイドビニルを開放する。
    そして,10月以降再びサイドビニルを被覆し,加温を行う。目標温度は最高30℃,最低15℃とし,11月中旬以降は最低気温を10℃とする。このとき,昼夜温格差が大きいと,果面が結露して波線状の汚れ果が発生するため注意する。さらに,湿度上昇を防ぐため,全面にビニルマルチを敷設し,さらに果面に触れている葉は摘葉する。また,大型扇風機による送風や大型除湿器による湿度低下の効果についても検討を要する。

     

  2. 電照処理
    抑制栽培では,果実を露地より1か月以上樹上で健全に保つ必要がある。そのため,9月上旬以降日長延長のための電照処理を行う。光強度は,光補償点以上の強度が得られる陽光ランプを用いた方が効果がやや高いが,経済性など総合的にみると蛍光灯による日長延長で十分である。電照方法は,夜間3時間程度の光中断が深夜電力利用によりコストが安く,効果も高い。

    補光処理補光栽培

     

  3. 適正着果量
    抑制栽培では,露地栽培と比較し着果期間が約40日長く,葉が健全な状態で保たれることから,促成栽培よりも着果量を多くすることが可能である。10a当たりの目標収量は3.5t,目標平均果重を200gとすると着果数は17,500果となる。LAIが3〜3.5,平均葉面積が150cm2とすると葉果比はおよそ11〜13となるが,樹勢に応じて樹単位で増減させる。

     

  4. 施肥量
    抑制栽培では,保温・電照とともに樹勢が重要である。いくら保温・電照を行っても,樹勢が弱く葉色値が低いような樹では思ったような成熟遅延効果は得られない。したがって,樹勢をやや強めに保つように施肥量は促成栽培より多くし,堆肥も10a当たり3t以上施す。樹の生育状況をみながら,樹勢のやや弱い樹には窒素を主体に9月に追肥を行う。

関連資料
ときめきNo.175カキ‘西条’の抑制栽培(1996.7)
農試だよりNo.89カキ‘西条’の抑制栽培(1999.10)
農業経営指導指針西条・抑制

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