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2.高品質安定多収技術

(4)新梢管理

a.芽かき

陰芽から発生した新梢

 

4月〜5月にかけて、不定芽から新梢がたくさん発生する。特に、間引きせん定をした太い切り口の周辺から上向きや横向きの新梢が多数発生する。このうち、結果母枝や側枝とするものは、4月下旬から5月にできるだけ横向きのものにし、上向きのものをせん除する。また、主枝の亜主枝の上部から発生する新梢は徒長枝となりやすいので早めに取る。

b.誘引

 棚仕立てでは新梢を誘引することによって,棚面が埋まり,葉層が均一になる。また,陰葉が少なくなって,物質生産力が高くなるだけでなく,果実へも平均的に光が当たるため,品質が均一になる。さらに,新梢の伸長が抑制されるため,果実に多くの養分が分配されるから品質が向上する。誘引は新梢の基部が脆い開花期までは控えて6月から行う。この時期の誘引は、葉ができるだけ均一になるように、亜主枝や側枝の間隔も調節して重ならないようにする。7〜8月になると、徒長枝が伸びてくるが、長さが40cm以上の新梢は棚面に誘引する。40cm以下の短い新梢は誘引せずにそのままにしておく。短い新梢は立っていると葉と葉の間に空間ができて、効率よく受光できる。

 

枝抜き誘引前後の様子

c.夏季せん定

 6〜7月になると、不定芽から発生した新梢が長くなる。この不定芽から発生した新梢は、長さが20cm程度で、横向きで太いものを残して、他のものはせん除する。6月以降になると、葉が繁茂しすぎて、誘引だけでは対応できないときには、主枝の上部から発生した徒長枝などの長い新梢からせん除する。若木や樹勢の強い樹では、新梢の伸びが旺盛で、新梢が遅くまで伸長し続けたり、一端止まった後に再び伸びだす2次伸長枝が増加する。2次伸長枝に翌年の花芽を確保するためには、先を切って伸びを止める必要がある。先端の2次伸長部分をすべて摘み取ると、翌年の花芽である2番目以下の芽が再発芽するので、2次伸長部分の葉を2枚程度残して切ることが大切である。時期は7月から8月上旬であり、2次伸びが15cm伸びたときが良い。

[環状はく皮]

環状はく皮処理の様子

 

‘西条’の若木では、樹勢が強くて花が着きにくい場合が多い。このような時には幹に環状はく皮をして翌年の着果を促進させる必要がある。処理時期は6月中旬〜7月上旬である。処理は地面から10〜20cmの主幹にする。幹の表面の粗皮をきれいに削り取ったあと、ナイフで形成層まで達するその年の皮を上下2本の切り目を入れて皮をはぎ取る。処理の幅は幹の大きさによって変え、幹周が10〜15cmでは5mm程度、15〜20cmのものは1cm程度とする。処理後はガムテープなどを巻いて、傷口の乾燥や雑菌の侵入を防いで、癒合を促進する。なお、環状はく皮は樹勢を弱めるので、幹周が10cm以下の樹や樹勢の弱い樹には処理しない。



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農業技術センター

島根県農業技術センター
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