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2.高品質安定多収技術

(2)整枝せん定

c.成木のせん定

 Y字形や強制誘引樹で成木時に安定して高収量を得るためには,強せん定をさけて,樹勢を落ち着けて,良い結果母枝を園内に満遍なく配置することが大切である。

母枝長

  1. 母枝の良否
    10cm、20cm、40cmの母枝における成熟期の器官別乾物重の違いを見たのが図3-15である。全乾物重は母枝長が長くなるにつれて重くなるが、母枝が長くなるにつれて茎と旧枝の割合が高くなり、40cmの母枝では、茎と旧枝を合わせた比率が約60%であるのに対して、10cm、20cmの母枝では10%程度と少なかった。また、長い母枝ほど着果数が多いが、逆に、生理落果率も高くなった。このように、長い母枝ほど茎や旧枝にとられる養分が多くなり、果実の割合が少ないため、果実生産効率の悪い枝となる。したがって、15〜25cmの果実生産効率の良い結果母枝をできるだけ多く確保することが果実生産上有利である。良い果実を連年多収できる樹は、25cm以下の結果母枝が大半で、2次伸長枝や徒長枝がほとんどなく、園全体が樹冠で覆われている状態の樹と考えられる。
  2. せん定程度と母枝数
    かきでは切り返しせん定はほとんどしないので、母枝の間引き程度がせん定強度となる。今まで、せん定時に残す結果母枝数は、10a当たりの収量から必要数を逆算して求めているのが多かったが、これでは本末転倒しており、物質生産を行う葉面積から結果量を算出する必要がある。
    そこで、‘西条’の新梢長(X)と葉面積(Y)の間にはY=28.6X+182の関係式が成り立つので、生育期の葉面積指数を3.5〜4に高めるためには、平均新梢長が15cmでは樹冠1m2当たり57〜66本必要となる。この長さの結果母枝からは3本程度の新梢が発生するので、母枝は樹冠1m2当たり19〜22本残すようにする。この状態で翌年もほぼ同様の樹勢であれば、同様のせん定をする。それより、枝の伸びが旺盛な樹では、せん定強度を弱くして、新梢の伸びを抑えるようにする。逆に、枝の伸びが劣る樹では、せん定強度を強くしたり、施肥量を多くして、樹勢が強くなるようにする。


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